【三菱ケミカルTENSEI プロ オレンジ 1K】
「TENSEI」は海外モデルとして多くのトッププレーヤーに支持されているモデルです。
今回検証する「TENSEIプロ オレンジ 1K 」シリーズは2021年に発売された「ホワイト 1K」 シリーズに続く「1Kクロス」を使用した最新モデルになります。50、 60、 70 、80グラムの4つの重量帯があり、フレックス展開でもすべての重量帯にTXが用意されていて幅広いプレーヤーの要望に応えるラインナップになっています。60グラムのSと50 グラム台のSを打ってみました。
「60S」はアスリートモデルらしく張りがあり、ヘッドスピード43m/sの私には、かなりしっかりしているように感じます。しかし、ただハードなだけでなく、バット部にはしなやかさもあり手元側の切り返しのタイミングが取りやすいシャフトに仕上がっています。
ベースモデルの「TENSEI CK プロ オレンジ」の先端部の剛性を高めて、さらに打点ブレに強くなっていますので、ハードヒッターが安心して打っていけるシャフトといえるでしょう。弾道は中弾道でバッグスピン量は少なめ、ボールが吹き上がらずに振ったぶんだけボールが前に行くシャフトです。
「50S」はスウィンガータイプのゴルファーでもじゅうぶん使いこなせます。「60S」に比べて12グラム軽く、非常に振り抜きがよく、全体的に剛性は高いですがフィニッシュまで一気に振り抜けます。部分的にしなりがあるシャフトだと振りにくく感じる方や自分でしっかりしたインパクトを作りたい方にオススメです。
このシャフト自体がボールを捕まえるとか、打ち出しを高くしてくれることはありませんので、ボールが上がりやすいヘッドと組み合わせると打ちやすく、いい結果になると思います。叩いても吹き上がらず、つかまりすぎを気にせず、気持ちよく振り抜くことで飛距離が出せると言えるシャフトです。オススメフレックスはS。Sがきついと感じる方はフレックスをRにするよりはほかのシャフトを選んだほうがいいと思います。
【フジクラVENTUS TR BLUE】
世界中のトッププロが使用して話題になり、日本には「VENTUS BLUE」から投入され瞬く間にプロ、アスリートゴルファーに使用され人気となったモデルです。
「VENTUS」はアメリカでは「BLACK」 「BLUE」 「RED」の3種類があります。
日本では2020年に「VENTUS BLUE」、 21年に「VENTUS BLACK」そして3月に発売された「TR BLUE」で3モデルめとなります。5 0、 6 0 、7 0グラムの重量展開で、今回検証したのは「6 S 」と「5 S」と「5R」です。
「6S」から打ってみました。手元側は「VENTUS BLACK」のイメージで中間部から先は「VENTUS BLUE」の設計とのことですが手元側は確かに「VENTUS BLUE」よりも硬く仕上がっています。しなり感もあり振りやすいですね。ヘッドスピードが速くなくてもタイミングが合えばじゅうぶん使えると思います。フェード系のボールが打ちやすいと言われていますが、ボールの捕まりはけっして悪くは感じません。インパクトは厚く、アスリートゴルファーが求める操作性のよさも感じます。硬めの中元調子ですが、手元側に強くテンションをかけると、中間部から先にかけてよりしなりが出ます。
続いて「5S」。手元側は軽い分だけ「6S」よりもしまった感じがします。プロ、アスリートゴルファー向けシャフトからイメージするハードさは感じません。とくに中間部から先端部にかけての動きはベースモデルの「VENTUS BLUE」同様なめらかな挙動で、スムーズに振り抜けます。ヒッタータイプの方だけでなく、スウィンガータイプのゴルファーにもマッチするでしょう。フェースにしっかりボールが乗りやすく、バッグスピン量は少なめになる傾向になります。しっかり叩いても弾道には大きな曲がりは少なく、左右のバラツキが気になる方にも合うと思います。「5R」になると振動数は約245cpm前後でハードさはなくなりますし、非常に安定感がありますので純正シャフトが物足りないという方は候補のひとつに挙げてもよいのではないでしょうか?
複数のヘッドでテストした結果、ヘッド重量は196グラム以上あるほうがいいと思います。ある程度ヘッド重量があったほうが、シャフトのパフォーマンスを引き出しやすくなるでしょう。オススメのフレックスは「6」も「5」もフレックスSから試して下さい。
ヒッタータイプの方は「6X」、ヘッドスピード40~42m/sのスウィンガーの方は個人的にオススメの「5R」も試して下さい。