ウェッジを使ってサッカーのようにボールをリフティングするプロや上級者の姿を目にしたことがある方は少なくないだろう。兼濱自身、ジュニアの頃は「『300回連続でできるかな』みたいな感じで、遊び感覚で延々とやっていましたね」という。
ラウンドで使用する機会のある実戦的な練習ではなく、単なる遊びのようにも見えるウェッジリフティングだが、「きちんと効果はありますよ」と続ける。
「ウェッジリフティングをするためにはフェース面をつねに水平に保たなければなりません。傾いてしまうと、ボールが跳ねる方向が不安定になってリフティングを続けられませんからね。実際、フェース面が向いている方向と、その際の手元の感覚をリンクさせる効果があると思います」(兼濱、以下同)
とは言っても「遊びの範疇」ではあるのだが、「こういう遊びのなかから、フェースの使い方や効率的な体の使い方を学べるんです」と兼濱は言う。
「たとえばリフティングをするうちに、打音の違いでフェースの芯の位置を感じることができますし、連続でリフティングすればするほど当然手元も疲れていくんですけど、そのときにより疲れづらい握り方が自分にとって最適なグリップだったりするんです。こういった遊びから、自分の感覚と実際のクラブの動きがリンクすれば『自分なりのロジック』も生まれてきます」
また、よくリフティングで用いられるのはウェッジだが、「もちろん長くなるぶん難しくなりますが、アイアンやドライバーで挑戦してみるのもアリですよ」と兼濱。右手と左手、どちらで握ってもできるならそれが一番いいが、慣れていなければまずは利き手から。フェース面が水平な状態を作ってからグリップするのがいいという。試しに一度挑戦してみてはいかがだろう。
協力/広尾ゴルフインパクト