「パナソニックオープンレディース」の最終日、首位のテレサ・ルーから2打差の単独2位でスタートした西郷真央が逆転で今季4勝目を飾った。プロゴルファー・中村修が安定感抜群のスウィングを解説。

2017年以来の優勝を目指すテレサ・ルーと初優勝から2週連続優勝を狙う高橋彩華、首痛で2週欠場した復帰戦となる今季絶好調の西郷真央、前年優勝の上田桃子と終盤まで混戦となった最終日。気温17度、風速8.2メートルと肌寒く風の強いコンディションの中、西郷真央は15番パー4のセカンドショットを直接カップに放り込むイーグルで抜け出すと、最終18番ホールもバーディとし見事な逆転劇で復帰戦を優勝で飾りました。開幕戦で初優勝を挙げてから7戦4勝と大ブレイクは続いています。

画像: 首痛からの復帰戦となる「パナソニックオープンレディース」を制した西郷真央(写真/吉井一馬)

首痛からの復帰戦となる「パナソニックオープンレディース」を制した西郷真央(写真/吉井一馬)

獲得賞金はすでに8千万円を越え、メルセデスランキングも2位の堀琴音に約600ポイントの差をつけ1206.20と大きく差を広げています。スタッツを見ても平均ストローク69.3636で1位、平均バーディ数1位、パーセーブ率1位、トータルドライビング1位、リカバリー率1位と軒なみ1位の数字が並びます。昨年は24位と大きく改善したのがリカバリー率でオフにアプローチを磨いた成果がはっきりと表れています。

最終日の前半の9ホールは4回の寄せワンでパープレーで折り返すと、後半12番のパー5でバーディ、15番では値千金のイーグルで首位に立ちます。初日、2日目と北東からの風が最終日は南東に変わり、フォローとなった15番パー4で169ヤードの2打目でイーグルを奪いました。フェードヒッターの西郷選手には狙いやすい右奥のピン位置ではありましたが、フォローの風を読んだ6番アイアンの少し抑えたライン出しは、安定感抜群の西郷選手らしいショットでした。

画像Aはドライバーの後方写真ですが、安定感をもたらすポイントがいくつかあります。ダウンスウィングで腰が前に出ず、前傾角がキープされていることで手元が下りてくるスペースが確保されている点。下半身で作る回転力が強く体幹を通じて上半身へと伝わっている点。左手首が前腕とフラットになりフェース面の向きと一致し、インパクトに向けてフェースの開閉の少ない点などです。

画像: 画像Aお尻のラインが赤線から離れず手元の下りてくるスペースを確保したダウンスウィング(写真/岡沢裕行)

画像Aお尻のラインが赤線から離れず手元の下りてくるスペースを確保したダウンスウィング(写真/岡沢裕行)

画像Bの左写真ではインパクト前にへそがターゲットを向くほどターンし、肩のラインが開き持ち球のフェードを打つための準備ができています。画像Bの右の写真ではクラブを斜めに振るために右肩は下がり前傾がキープされていることが確認できます。それぞれの画像から手先は必要以上に使わず、体の大きな筋肉で振り切るスウィングをしていることがわかります。

画像: 画像B 回転力を持たせた分厚い体幹を使って持ち球のフェードボールを打つ(写真/姉崎正(左)岡沢裕行(右))

画像B 回転力を持たせた分厚い体幹を使って持ち球のフェードボールを打つ(写真/姉崎正(左)岡沢裕行(右))

最後に風の強いコンディションでも、テンポが速くなったり力んだりすることなく、間の取り方やメンタルも優勝争いの中でも非常に高いレベルで安定していました。まだまだ快進撃は止まらず、今季は西郷選手が女子ツアーの中心になるのではないでしょうか。

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