国内女子ツアー第9戦「パナソニックオープンレディース」最終日、首痛による欠場からの復帰戦となった西郷真央が15番パー4のスーパーイーグルで逆転、今季4勝目を地元・千葉で挙げた。出場7試合での4勝到達は2004年の不動裕理、2018年の鈴木愛の10試合を抜いてツアー史上最速となった。
画像: 最終日、我慢のフロント9からバック9に入って12番から追撃。今季4勝目を地元千葉で挙げた(写真は2022年パナソニックオープンレディース 撮影/吉井一馬)

最終日、我慢のフロント9からバック9に入って12番から追撃。今季4勝目を地元千葉で挙げた(写真は2022年パナソニックオープンレディース 撮影/吉井一馬)

ピンチはしのぐも、チャンスを生かせない。11番まですべてパーを重ねてきた西郷は12番パー5で2オンに成功し、2パットの初バーディ。1打差を追って迎えた15番では残り169ヤードから6Iでの2打目を放り込むイーグルで一気に逆転を果たした。さらに最終18番パー5も再び2オン2パットのバーディ締め。バーディパットが決まらない中、持ち前のショットでスコアを伸ばし、復帰戦とは思えない強さを発揮した。

寝違えを起こしたのは2週前の「KKT杯バンテリンレディス」に向けて宿泊していた熊本のホテルでのこと。本人は「朝起きたら首が痛くて…」と話したが、午前3時に同じホテルに宿泊していた母親にSOSの電話をしており、痛みで目が覚めたという方が近い状態だったのかもしれない。トレーナーのケアを受け、翌日にはスクワットなどの軽い運動を再開したが、ボールを打ち始めるまでは1週間以上かかった。想定外の大きなアクシデントがあっても開幕からの勢いは止まらなかったのはストイックに積み重ねてきた努力の賜物だろう。

これまでの記録を大幅に更新する最速でのシーズン4勝となったが、これに近いペースで勝っていたのが昨年の稲見萌寧。2020-21年が統合されたため、記録上、開幕からではないが、21年の初戦から8戦4勝。続く5勝目も12試合目と勝ち続けた。東京五輪シーズンで日程がタイトだったこともあり、海外メジャー出場はなかったが、その五輪で銀メダルを獲得。国内ツアーでの快進撃を世界の舞台での活躍につなげた。

いっぽう、今年の西郷は積極的に海外メジャーに参戦する予定。すでに「全米女子オープン」(6月)の出場資格を得ており、「エビアン選手権」(7月)、「AIG全英女子オープン」(8月)も出場権獲得は確実となっている。コンディションに問題がなければ、いずれも出場する計画だ。

2019年の全英女子を制した渋野日向子はもちろん、昨年のエビアンでは古江彩佳が優勝争い(4位)を演じるなど、日本人選手がスポット参戦で結果を残すケースが増えており、今もっとも勢いのある西郷への期待も高まるばかり。2015年に同じ会場で行われる「エビアンジュニアカップ」に出場しており、エビアンには西郷も思い入れがあるだろう。

今大会の優勝により、来年の「HSBC世界選手権」(今年は3月開催)の出場権も獲得し「ゴルフを始めた時から世界で活躍する選手になりたいと思っていたので、頑張りたいです」。本人も夢見てきた世界の舞台で、日本でのプレーと変わらない切れ味鋭いショットを連発する姿が今から楽しみだ。

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