ウェッジのシャフトはスチールでじゅうぶん! ウェッジ専用カーボンシャフトは必要ない!と思っている方や、打ったことがないのでイメージがわかない、といった方も多くいるのではないかと思います。しかし、ここ数年でプロゴルファーのなかにもウェッジにカーボンを装着する選手が目立ってきています。今回は注目度が上がってきているウェッジ用カーボンシャフトの中から特徴のある3つのモデルをピックアップして検証してみました。
アメリカロサンゼルス発のシャフトブランド「LA GOLF」が日本で4月から発売開始したウェッジ専用シャフトが「LAGOLF Lシリーズ120WV」です。
重量は120グラムで1フレックスのみ。人気のあるパターシャフトをベースに開発されたモデルでお馴染みのザラつき感のあるマットブラックの特殊ペイントされた外観はいつ見ても個性的です。
ワッグルすると硬く感じましたが、実際に打ってみるとイメージは一変。パターシャフトをベースにしているとのことで、正直しなりのない棒のようかと思っていましたが、想像より硬くはありません。しっかりしていますが、硬すぎずシャープでソリッドな振り心地です。手元の剛性がしっかりあり、どこかがしなるという訳でなくシャフトの動きに一体感があります。今までのウェッジ用カーボンシャフトにはない独自のフィーリングですね。
ボールの狙った部分にフェースを入れやすいのでイメージどおりのインパクトが作りやすく、ボールがしっかりフェースに乗ってきます。練習場のボールでのテストですが、バックスピン量はしっかりかかっていると思います。ハーフショット時でも反応がよくフェースをコントロールしやすいです。
フルショット時では粘り感が少なくシャープな動きで気持ちよく振り抜けます。重く軟らかいシャフトが合わない方やウェッジショットでダブることがあるという方に試して頂きたいシャフトですね。
グラファイトデザインから4月に発売されたばかりの「RAUNE」は3つの重量帯にそれぞれ2つのフレックスがあります「w85 」と「w105」は W (R)とW+ (S)。「W115 」はW(S) とW+ (X) です。今回は「105」のW+ と「115」の Wをピックアップしてテストしました。
ブラック1色のペイントでグラファイトデザインのシャフトとは感じさせないシンプルな外観で、アイアン用とハイブリッド用もラインナップされていますが、開発をスタートしたのはウェッジ用からとのことです。
ワッグルした感じは少ししなやかな感じでそれほど硬くないようです。まずはハーフショットで打ってみました。打った際にすぐに感じたのは「タメの作りやすさ」。切り返し時に明らかに間が取りやすく、粘りを感じます。一発目から違和感なく打てました。」
シャフトが自然にタメを作ってくれて振り幅によるシャフトコントロールをしやすく設計されているようです。シャフトが短くてもシャフトの動きを感じ、重さがありながらも操作性がよく、先端剛性は高めですがフェースコントロールがしやすいです。かといって硬すぎることもないので心配な「飛びすぎ」もなく、飛距離のコントロールもしやすいシャフトですね。
「w105」は軽量スチールシャフトユーザーに、「w115」は重めのスチールシャフトを使っていてシャフトの軽量化を検討している方が選択肢のひとつとして加えておくのはアリですね。
最後はコンポジットテクノの「ファイアーエクスプレスWEDGE」。
ラインナップは「80」、「 115S」 「120X」の3種類。最近カラーリングチェンジされましたが10年以上発売されているベストセラーシャフトでコンポジットテクノの重量級アイアン用カーボンシャフトから派生したウェッジ専用設計のシャフトです。
ワッグルすると「重く硬く」感じますが、ボールを打った感じをひとことで表すと「重厚でマイルド」。重量級のカーボンシャフトらしいしっかりした手応えで手に伝わる衝撃をカーボン素材が吸収しているのがわかります。
シャフト振動数は372CPMと高く、トルクも1.7と小さいですが、外装部は4軸組布で覆われていて硬さの中にもほんのり軟らかさを感じることができます。
シャフト自体の動きは少なく、どこかが動く感じはありませんが、先端部がしっかりボールをとらえてくれます。ハーフショットでもフルショットでも間が取りやすく、インパクトも再現性が高く、ダブりやトップといったミスは出にくいと思います。距離感も合わせやすくボールをコントロールできるシャフトに仕上がっています。
安定した挙動のシャフトなのでウェッジショットをシンプルに打ちたい方にオススメしたいと思います。
ウェッジ専用シャフトはヘッドの重量や重心設計で装着した際に、硬さのフィーリングが異なる場合がありますので、リシャフト時はその点をお店の方とよく相談して装着してください。