「中日クラウンズ」で7位に入りベストアマとなった中島啓太。開催された名古屋ゴルフ倶楽部和合コースは、6557y(パー70)と現代の男子プロの基準からするとかなり短い。飛び過ぎを抑えて、しっかりとフェアウェイをとらえるために、中島は昨年発売された「300mini」ドライバーをバッグに入れていた。
画像: 中島啓太選手は「300mini」を手に中日クラウンズでは7位に入った(写真は2022年 中日クラウンズ 撮影/有原裕晶)

中島啓太選手は「300mini」を手に中日クラウンズでは7位に入った(写真は2022年 中日クラウンズ 撮影/有原裕晶)

「300mini」はその名の通り、307ccとコンパクトなヘッド体積でミニドライバーと呼ばれるモデル。ドライバーよりは小さいが、スプーンよりは大きく、長さもドライバーより短いがスプーンよりは長い。ドライバーほど飛距離を求めないシチュエーションで使用する、方向性や振り切りやすさを重視したティショットギアという位置づけだ。

カタログの数値は43.75インチで、現在主流のドライバーとはかけ離れたスペックの「300mini」だが、昨年発売されたと同時に驚異的な人気となり、長らく欠品が続いていた。大型ドライバーが苦手なので、多少飛距離は落ちてもいいから、振りやすくて安定するドライバーが欲しいという潜在的なニーズに上手く応えた格好だ。

中島はさらに短くして使用しているようだが、400yを切る短いパー4でのティーショットでこのクラブを多用し、ゲームを優位に進めていた。中島はドライバーも44.75インチと短めのスペックで、振り切りやすさや操作性を重視していることが伺える。

もう5年も前の話になるが、PGAツアーでジミー・ウォーカーが42インチ、リッキー・ファウラーが43.5インチの短尺ドライバーを使用して話題になった。現代の大型ドライバーは、ほかのクラブに比べて極端にヘッドが大きくなり、重心位置もシャフト線上からはるか遠くにある。その扱いにくさを克服するための工夫として、シャフトを短くしたわけだ。

大型ヘッドが苦手な人に、シャフトを短くしてみるチューニングは有効だ。上手くいけば、振り切りやすくてクラブの操作もしやすくなる。ただ、単に今のドライバーのシャフトを短く切っても、意外と上手くいかないのが悩ましい。ヘッド重量が同じで、シャフトだけ短くなると、ほかのクラブと比べても極端に軽く感じたりして、違和感が生まれることが多いからだ。

そこで、ギアマニアたちは、鉛を貼ったり交換ウェイトを用いたりしてヘッドを重くしたり、シャフトを1ランク重い重量帯にしたりして、扱いやすくなるように工夫している。単に重くして、バランスポイントを揃えれば振りやすくなるかというと、案外そういうものでもないので、簡単なようで上手く機能させるにはちょっと難しいのが、この短尺化チューンだ。

最近では、契約選手のファウラーの影響からか、コブラからツアーレングスと呼ばれる44.5インチ使用のモデルが発売されている(※日本未発売 USモデル)。ヘッド重量をノーマルモデルよりも重くして、シャフトも変えることで、短くても性能が発揮しやすい仕様でラインナップされているモデルだ。

フジクラからは、短尺専用の「スピーダーSLK」のラインナップがある。一般的な重量のドライバーヘッドに装着しても、短尺で性能が発揮できるというコンセプトで、2019年の発売以来、スマッシュヒットとなっている。
こうした短尺専用仕様のモデルやシャフトを活用することでも、短いドライバーのメリットを享受できるだろう。打ち出し角が出にくいデメリットもあるので、ロフト角は大きめがよさそうだ。

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