朝イチのティーショット、安全に軽めに打とうと心に決めたはずなのに、大きく曲がって右OBへ……なんてことアマチュアゴルファーあるあるだ。なんとかフェアウェイをキープするためにはどうしたらいいのか? 今さら聞けないコツをゴルフインストラクター・武田佳子(たけだ・かこ)に聞いてみよう。
「朝イチのティーショットは同伴者や後続組などから見られていることもあり、練習場ではない”緊張感”があると思います。だからこそ、飛ばしたいという欲よりも無難にフェアウェイキープしたいというゴルファーが多いと私は感じています」
最終的には「いいスコアで上がりたい」というゴルファーは大半だが、朝イチのティーショットはただでさえ体が回りにくく、緊張もしている。そのため、飛距離というよりもOBや林の中、チョロ……などと朝からガッカリしてしまうミスだけは避けたいと考えるだろう。しかし、無難にフェアウェイを狙い「軽く打った」のにボールはむなしくOBゾーンへ。
このような状況を少しでも減らすにはどうしたらいいのか? インストラクター・武田佳子はこう話す。
「プロ、アマ問わず朝イチは体が動かないため、そんな状態で『軽く打つ』となると手打ちしかできません。だからこそ、柔軟などで体をほぐすことが第一条件になります。飛ばしだけでなく『安定した距離を稼ぐ』ことでも前提となる遠心力を使うためにも体を回せる準備をしておくことが大事だと思いますよ」
もちろんアマチュアゴルファーにとって念入りにストレッチをするのは、時間的にも環境的にも難易度が高い。そこで「10分あればじゅうぶん」だというドライバー1本でできる武田流スタート前素振りを2種類、教えてもらった。
「まず一つ目はボディターンの練習にもなる素振りです。ドライバーを地面と水平になるように持ち、素振りをします。ポイントとしては、グリップエンドが自分の胸を差した状態のまま、おへそをしっかり回すように意識していきましょう。このときに手首をこねてしまうと、手打ちになりやすいので注意してくださいね!」
続いて二つ目は胸の可動域を広げるための素振りをおこないましょうと武田。
「やり方は簡単で足幅を拳一つ分ほど開けて、フルスウィングするだけ。スタンスを広くすることで体重移動を使えてしまうため、胸を回さなくてもスウィングできてしまいますが、スタンスを極端に狭いと胸を回さないとスウィングできない。だからこそ、スタンス幅を狭くした素振りはスタート前の素振りに効果的なんです」
後半になると「当たるようになってきた」という声はよく聞くが、それは体が回るようになってきたからだ。その状態をスタート前から作ることができたら、いつもより少しだけいいスコアで回ることができるかもしれない。練習場に行く時間がある場合は、練習前に。ない場合はスタート前に取り入れてみてはいかがだろうか?
撮影協力/明舞ゴルフセンター