山下美夢有選手は、今季メジャー初戦となる「ワールドレディスサロンパスカップ」の初日に、14フィートの速さが出ていたという硬く速く傾斜のあるグリーンで8アンダーというコースレコードを叩き出しロケットスタートを切りました。
開催された茨城GC所属でツアー8勝を誇る細川和彦プロも「あの初日のコンディションで8アンダーは本当にすごいスコアです」と舌を巻いていました。
ドライバー、アイアン、アプローチ、パットのどれもが非常に安定していてプラン通りのマネジメントで最後まで首位を明け渡さずに完全優勝となりましたが、ここでは硬く速いグリーンに対抗できたスピンの効いたアイアンショットの秘訣を取り上げたいと思います。
今大会でポイントになったのは、初日に「リズムのことしか考えていません」とコメントしていた通り、トップで間を作ることでタイミングが早くなり、予選落ちが続いた原因となっていたショットを修正できたことと、アライメントで右を向くクセをボール後方にクラブをかざし、ターゲットに対してスクエアに立てるアドレスをショットでもパットでも最後まで貫いたことにありました。
フェアウェイキープとグリーンセンター狙いのマネジメントに対して、安定したスウィングでプレーできていたのは、不安のないアドレスの向きとスウィングのテンポが終始一定だったからこそ。
真っすぐ構えて、真っすぐ打つのが正解とは限りませんが、ドローヒッターの山下選手なりの方向性の取り方がハマったこの改善点はコーチを務める父勝臣さんのアドバイスでした。
番手間の距離を合わせるアイアンショットにキレを生むスウィングの秘訣を見つけました。
山下選手の番手間の距離を打ち分けるスウィングのポイントは、胸の正面に手元がキープされていること、手元と胸の距離がキープされているので入射角とスピン量が安定されていること、しっかりと下半身のリードと体幹を使って打っていることの3点です。
フルショット時より距離を落として打つショットは、ゆるみやすくダフったり強く入ってしまったりとミスになりやすいものですが、終盤の16番でもティーショットをバンカーに入れレイアップすると、3打目をピタリと寄せてパーとしました。
ドライバーやフルショットでも、この打ち方をベースにして下半身や体幹部の動きを大きくすることで安定したショットにつながっています。
この勝利に満足することなく西郷真央、笹生優花選手と先を行く同期を追い越す活躍を期待しています。