近年、アマチュアゴルファーにとっても身近な存在となった弾道計測器。インドアスタジオなどで目にしたり実際に使用した経験のあるビギナーも少なくないだろう。
とは言え、弾道計測器で得られるデータの種類は非常に多く、どの数値に注目すべきかが判然としていないゴルファーも一定数いるはずだ。JJコーチは弾道計測器について、「ビギナーの方に関しては、なるべく最初は使わないほうがいいんじゃないかな、というのが僕個人の見解です」という。
「弾道計測器によって得られるデータを十全に活かせるようになるのは、ある程度スウィングの基礎が身につき、ボールを打てるようになってからです。最初から数字に固執して練習に取り組むと、自分の理想と現実とのギャップを感じてネガティブな気持ちに……なんてケースもあるので、本当に最初の一歩、という状態から使うのは個人的にはオススメはしません」(JJコーチ、以下同)
弾道計測器を本格的に使用するのは、前述したようにある程度スウィングの基礎が身に付つたうえで、「実際にコースに出てラウンドするようになった段階がいいでしょう」とJJコーチは続ける。
「コース攻略のためには、まず自分の飛距離を把握することが大切です。ですから、計測データで確認すべき部分はシンプルにキャリーとトータルの飛距離。これを各番手チェックして、自分の飛距離を知り、加えてロフトピッチができているかを確認してみてください」
これが弾道計測器を活用する第一歩。ここからさらにゴルフという競技、ゴルフスウィングに慣れてきたら、「次はミスの原因を確認するために、弾道計測器を使ってみましょう」という。
「注目してほしいのは、『サイドスピン量』=ボールの横方向の回転量と『フェースアングル』=インパクト時のフェースの向きです。ざっくり言えば、フェースアングルは打ち出し方向のミス、サイドスピン量の多さは弾道の曲がり度合いに対応していて、実際のミスとデータの擦り合わせ、分析がしやすくなりますよ」
例えば、ビギナーが悩みがちな右サイドにボールが飛ぶミスも、細かく分類していくと真っすぐ打ち出して右に曲がる、右に打ち出して真っすぐ飛ぶ、右に打ち出して右に曲がる、の3つの種類に分けられ、ミスの原因も変わってくる。右に打ち出てしまうならフェースアングルに問題がある可能性が高いので計測データをチェックし、フェースコントロールを身につける練習に取り組む。右に曲がるのであればサイドスピン量を参照し、スピン量増加の原因であるクラブ軌道の修正に取り組む、といった具合だ。
このように、ミスの詳細な原因と対策をまずは数値で分析することで「より弾道計測器を使う意義があるし、自分の知識としても蓄えられるのでいいと思いますよ」とJJコーチ。もちろんさらにゴルフに慣れスウィングが安定してくれば、弾道計測器の活用の幅もより広がるが、まずは比較的シンプルな部分から取り組んでみるのがオススメだ。
協力/レッツゴルフ銀座