打ちっ放しなどの練習ではきちんとスウィングできるのに、本番ではなかなかうまくいかない。「そんな悩みをもつゴルファーは“練習のための練習”をしてしまっているかもしれない。本番でパフォーマンスを十全に発揮するためには“試合のための練習”が大切ですよ」というのは、プロも教えるメンタルコーチ・池努。詳しく話を聞いてみよう。

ゴルフでもほかのスポーツでもコーチや上級者から「君の練習は“練習のための練習”になっている。もっと、試合のための練習をすべきだ」と助言をもらったことがある人も多いのではないでしょうか。これは、試合で起こる状況を意識して練習することや、試合のように緊張感を作って練習をすることを指しているはずです。

今回はメンタル強化にもつながる「試合のための練習」を紹介していきます。この方法は実際にプロを目指すゴルファーやツアープロにも提案している練習なので参考になるはずです。

試合のための練習がいったいどんな練習なのか、結論から言えば「ラウンドと同じルーティンからの1打を打つ練習」です。どういった意味かというと、たとえばティーショット、人それぞれボールを打つまでの一連の流れ、ルーティンがあるはずです。専門的にはこれをプリショット・ルーティンといいます。【1】ボール後方で素振りを2回、【2】後方から目標確認と球筋のイメージ、【3】一定のテンポでボール横へ歩く、【4】アドレスからスウィング、といったような感じです。

画像: ラウンドと同じルーティンで打つことが、試合のための練習だと池氏は言う(写真はイメージ)

ラウンドと同じルーティンで打つことが、試合のための練習だと池氏は言う(写真はイメージ)

このような「自分のルーティンからの1打」を時間を作って練習するのです(※練習場はスペースが限られるので工夫が必要ではありますが)。そして練習の終盤に10球だけ、ラウンドを想定してルーティンからのティーショットを練習します。そして10球中何球、自分が納得する球が出たかを数えます。

やってみるとわかるのですがこの「ルーティンからの1打」の練習は本番に近い感覚を感じることができます。このルーティンからの1打をアプローチ、パターでも同じようにおこなうことが「本番を想定した試合のための練習」として非常にオススメなのです。

多くの方が練習場ではスウィングの練習をされている時間がほとんどだと思います。それは当然もっとも重要な練習ですが、盲点になっているのがそのスウィングをラウンドで実行するための練習です。それが今回の「ルーティンからの1打」というわけです。

練習場では集中して理想のスウィングを作るために時間を使います。そして練習場ではいい感じにスウィングが決まり、練習を締めることができました。そして、次の日、コンペや試合に挑みます。しかし、ラウンドでは練習場とは違い、時間をかけ1打を打ちます。そして、練習場とは違う心理状態、身体状態になり、スウィングのリズムが速くなったり、遅くなったりとする方もいるはずです。

「あー、おかしいな。練習場ではあれだけいいスウィングができていたのに……」
しかし、今回提案した「試合のための練習」である「ルーティンからの1打」を練習で実践していれば、ティーショットもセカンドショットもアプローチもパターも練習でおこなっているルーティンの順序、テンポで余計な思考をはさまずに、コースでスウィングすることを可能としてくれます。

もしかするとこの「ルーティンからの1打」を練習場で10分だけ取り入れるだけでもラウンドでのパフォーマンスをアップさせてくれるかもしれません。ちなみにこの練習、練習の最後にもってくることはあまりおすすめしません。
なぜなら「10球中何球納得いく球が出るか?」を数えるわけなので10球中3球しかいい球が出なかったとなればモヤモヤした状態で練習を終えることになるからです。最後ではない練習の後半などがおすすめです。

今回は、メンタルコーチがすすめる試合のための練習について紹介していきました。このほかにもおすすめする試合のための練習はいくつかありますのでまた、みなさんにシェアしていきたいと思います。

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