みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。よくレッスン記事なんかを読んでいると「クラブを重力に任せて落としてましょう」ってことが書いてあります。これがわかるようでイマイチわからない。
重力を使ってクラブを落とすとヘッドスピードが速くなるということなんですかね? どうすれば重力をスウィングに生かせるのかってもよくわからないし。週刊ゴルフダイジェスト5/24号の”江連忠「新・モダンゴルフ」”に重力を生かすための方法や練習方法が書かれていたので、試してみることにしました。

江連忠プロのレッスンを漫画で分かりやすくお届けする「江連忠 新・モダンゴルフ」は週刊ゴルフダイジェストで連載中
江連プロによると、重力は誰でも等しく使えるもので、僕みたいなオッサンもタイガーも等しく使える力なんだそうです。だったら使わない手はないですよね。でもプロは重力を上手に使いますが、アマチュアは使えていないらしいんです。
人間の腕は体重の12~15パーセントほどらしく、体重が80kgの人であれば約10~12kgの重さがあるといいます。その両腕が上から落ちるだけでけっこうなパワーを生むということなんですね。しかしなぜアマチュアはその重力をうまく使えないのか? それは「脱力」ができていないから。トップから腕に力を入れてボールを打ちにいってしまうから、せっかくの両腕の重さを使うことができないんです。

(左)トップからいきなり手の力で打ちにいってしまってはダメ。(右)脱力することで、トップから重力を使いクラブを落とす
スウィングを単純に考えるとクラブを上げて下ろすだけの動き。それだけではクラブは下に落ちるだけなので、回転運動にしてあげなければいけないんです。そのカギが下半身。トップから脱力することでクラブが真下に落ちるので、そこに下半身の回転を加えてやることで重力が回転運動に変わるわけです。なんとなく頭では理解できるのですが、脱力と下半身の動きのタイミングがイマイチわからないんですよね~。

(左)基本的にクラブは上から下に落とす動き。(右)下半身は回転する動き。これを融合させるとスウィングになる
その脱力と下半身の動きで重力を生かすという感覚が分かるドリルが記事の中で紹介されていたので、やってみることにしました。
用意するものはテニスボール。ボールを地面に置き、右手にもボールを持ちます。そしてアドレスをして、スウィングのように右手だけで地面に置かれたボールに当てるように投げます。
もし地面のボールよりも前(左側)にボールが落ちればまだ力みがあるということになり、後ろ(右側)に落ちれば下半身が使えていないということになります。ボールが外側に落ちてしまう場合はアウトサイドイン軌道で脱力不足ということになるそうです。

床に置いたテニスボールにボールを当てるように投げる。力みがあるとボールの前に落ちる。下半身が使えていないとボールの後ろに落ちる
やってみましたが、こらが意外と難しい。僕の場合はボールが後ろに落ちることが多かったので、下半身が使えていないということのようです。かなり脱力して、しっかりと足を使って下半身を回転させると、なんとなくボールに当たるようになってきました。腕はかなり力を抜いて、本当に腕の重さで真下に落とすような感覚が必要ですね。仮にボールに当たらなくても、腕の脱力と下半身の回転のタイミングが合えば、気持ちよくボールを地面に投げられる気がしました。ボールに当てることばかりを意識しないで、気持ちよく腕が落ちて、タイミングよくボールを投げられるようになることを目指すのがいいと思いました。

僕は何度やってもボールの後ろに落ちてしまうので、やはり下半身が使えてないということのようです
で、ボールで感覚がなんとなくわかってきたので、クラブを持って、そのイメージでボールを打ってみました。やはりボールを打つとなると、少し腕に力が入ってしまいますね。ボールに上手く当てたいという意識が働いてしまいます。なるべく腕を脱力してクラブを下に落とすために、何度か素振りをして、そのイメージのままボールを打つようにすると、かなり脱力ができるようになりました。最初のうちは2~3回完全に脱力した素振りをしてからボールを打つということを繰り返すのがいいかもしれません。
腕が脱力していると、不思議なもので下半身の回転もスムーズに行くような感じがします。力が入っているとどうしても上体から動いてしまうので、下半身を動かすという意識が薄くなってしまうのかもしれません。
ラウンドのときもショットの前に脱力素振りをするというルーティンを入れると、力まずにショットができるようになりそうな気がします。
みなさんもぜひ一度テニスボールドリルをやってみて、脱力して腕を下に落とす感覚と、そこに下半身の動きを加えて回転運動に変えるという感覚を体感してみてください。