今回はいまでも人気のドライバーたちが登場したときに発売されていなかった最新シャフトを装着し、どのくらい性能がアップするのかを確かめてみました。
まずはテーラーメイド「SIM」シリーズ。2020年2月に発売され、「SIM」、「SIM MAX」、「SIM MAX D」、3モデルのラインナップがあります。今回は「SIM MAX」でマッチングをテストしてみました。
プロ、アスリートゴルファー向けモデルらしくフェースアングルはややオープン。もちろんイメージできる弾道もストレートフェードです。日本の多くのゴルファーには少しボールをつかまえて飛ばせるシャフトがオススメです。
最新シャフトとのマッチングということで考えるならズバリ、LA GOLF「 DJ シグネチャーモデル」。「DJ」の名が示すとおり、この4月に発売となったダスティン・ジョンソン監修モデルです。
55、 65 、75と3つの重量帯がありますが、今回ピックアップしたのは55シリーズのフレックス4(S相当)です。シャフト振動数は256cpmですが想像するよりもとハードではありません。実際に装着して打ってみると、振り心地は非常に滑らかで、スピード感もあります。
とくにシャフト先端部は絶妙に動いてくれ、ほどよくつかまるボールが打ちやすいですね。「SIM MAX」はスピン量がやや多いヘッドですので、スライス回転が掛かると弾道も高くなり飛距離が出にくくなります。この組み合わせならボールはつかまり、バックスピン量も低減し、弾道もやや下がるのでコースで打った際にランが出て飛距離アップも期待できます。
続いてキャロウェイ「MAVRIKシリーズ」。2020年2月に発売、「MAVRIK MAX」、「MAVRIK」、「MAVRIK SubZero」と3つのバリエーションがありますが今回はアマチュアゴルファーにも人気の高いスタンダードモデル「MAVRIK」でのシャフトマッチングを調べました。
操作性と飛距離性能のバランスがいいヘッドで、ヘッドスピードが遅めのプレーヤーでも飛距離が出しやすいヘッドです。オフセンターヒットに強いヘッドですが、ボールが勝手に「つかまる」ヘッドではなく、プレーヤーが「つかまえやすい」操作性を備えています。
「MAVRIK」の基本弾道はややフェード系と判断していいと思います。
魅力のひとつである操作性を犠牲にすることなく、パフォーマンスが向上させるとしたら三菱ケミカル「ディアマナPD」がいいでしょう。
重量展開は40、 50、 60、 70 、80グラム台。今回はアマチュアゴルファーにもっとも人気のある「50 S」でテストしました。実際に打ってみるとディアマナの中元調子のイメージよりしっかりした手元剛性ですが慣れるとタイミングが取りやすく、シャフト全体の挙動は安定感があり、「MAVRIK」の操作性も損ないません。シャフト先端部の剛性は高く、アマチュアゴルファーの打点ブレによるミスヒットをカバーしてくれますので弾道のバラツキも減ります。スペックとしては「50SR」を基準に選ぶのがいいと思います。
最後は根強い人気のピン「G410 シリーズ」。2019年発売で「G410」。「SFT」、「PLUS」、「 LST」と3種類のヘッドがありますが、なかでも人気の高い「PLUS」をピックアップしてテストしてみました。ややオープンフェースでボールがつかまる感じがしないヘッド。積極的にヘッドをローテーションしなくても自然にボールがつかまるシャフトマッチングを考えました。
実際に打って相性がよかったシャフトはフジクラ「SPEEDER NX」、2021年9月発売のフジクラSPEEDERシリーズの最新モデルです。
40、 50、 60、 70 グラム台の重量展開で7代続いたエボリューションシリーズから次世代シリーズの「NX」に変わり、しっかりしたシャフトの印象になりました。
「50S」でテストしました。手元側の剛性はややしっかりしていますが、しなやかで溜まったパワーを中間部から先端部にうまく伝達してくれて、プレーヤーの振り感に合った動きになるので、挙動を感じられ打ちやすく感じます。インパクト付近でのシャフト先端部の動きは安定感があり、ボールもつかまりやすく、右へのミスも防げます。打点ブレが少なく厚く当たりますのでミート率もよくなります。
スウィングタイプによっては手元側の感じ方が変わるシャフトだと思いますので、実際に打ってみるといいでしょう。オススメスペックは50S、やさしいヘッドと組み合わせても振り抜きのよさは変わりません。