ゴルフは準備のスポーツ
みなさん、唐突ですが「ゴルフの準備」は出来ていますか?
ラウンドの予定が決まったら、どんな準備をしていますか?
もちろん、道具やウェアの準備も大切ですが、自分が真っ先に考えるのはコースまでの交通手段や所要時間、誰かをピックアップしていくかどうか、などコースへ到着するまでの「段取り」です。
スタート時間から逆算して到着時間を決め、季節などを勘案して渋滞を予測し、朝食をいつ摂るのかも含めて出発時間を決定します。
なぜこれを真っ先にやるのか?
それは絶対にスタート時間に遅れたくないから。スタート前にバタバタしたくないし、一般のプレーでは少し遅刻してもなんとか調整してくれたりしますが、それでもコース側に迷惑をかけますし、競技なら失格になります。
それと、自分としてはスタート前の準備をしっかりやりたいのです。競技に出るならスタート2時間前には到着して風呂場でストレッチ&ウオーミングアップ30分、1時間前には練習場に行き、パッティング練習には20分はかけたい。
スタートしてしまえば想定外のことが限りなく起こり続けるゴルフというゲーム。自分の意思でコントロールできる「スタート前の準備」はきっちりやっておきたい。そんなマインドが働くのです。しかし、そんなマインドが逆効果になってしまうこともあるのがゴルフというゲームの難しいところ。
プレー前夜もしっかり睡眠が取れ、朝の目覚めもスッキリ。渋滞などにも巻き込まれず、すべてがスケジュール通り。忘れ物もなく準備万端。こうして「準備」がきっちりできたにも関わらず、いざスタートしてみればまったく上手くいかない……こんな経験はありませんか?
こういうことが起きるのは、スタート前の準備が自分の意思できっちり整えられたのだから、実際のプレーや1打ごとのショットも自分の意思で「きっちり」コントロール出来る、と錯覚してしまうから。
いつもならそこそこの当たりで満足できるショットが 完璧にイメージ通りでないと満足できない、少しでも違う結果になると自分を許せない。その結果、ストレスが溜まっていき、自分を追いつめてしまうのです。
逆に遅刻寸前でコースについて素振りもせずにスタートしたのに、自分にまったく期待しなかったおかげでリッラックスでき、ベストスコアが出た、なんてことも起こります。
これは時間やモノの準備は完璧でも「心の準備」ができていなかったということになります。故人の言葉に「ゴルファーは18の荒海を航海する勇者である」というのがあります。
いったんゴルフコースという荒海を漕ぎだしたなら、どんな苦難も甘んじて受け入れ、不退転の決意を持って克服していく。ちょっと、おおげさですが、こうした心の準備、覚悟をもつことでちょっとしたトラブルやミスで「メンタルをやられた」などと嘆くことは少なくなってきます。
言ってみれば「失敗に対する準備」。はじめから、ミスはするもの、トラブルは起きるもの。こうした意識を心がけてみてください。きっと打たれ強いタフなゴルファーに成長していけます。
プレーの前の「準備」。スケジュール、忘れ物のチェックとともに「心の準備」もお忘れなく。