アメリカから日本へ、女子ツアーを中心に話題となっているトゥルーテンパー社製の「Steel Fiber」シャフト。ゴルフステージ成城のクラブナビゲーター・吉田朋広がさっそく性能を分析してみた!

国内ツアーだけでなく米女子ツアーでも使用プロの活躍が目立ってきている「SteelFiber」(スチールファイバー)シリーズ。
コア部分にはグラファイト、もっとも外側の外層部分には髪の毛の10分の1以下の細いスチールの繊維を巻いて作られています。そのためカーボンシャフトの特性とフィーリングがありながらもスチールシャフトの操作性をもち、スペック選びさえ間違わなければメリットを感じるゴルファーが多いと思います。今回はメインモデル「 iシリーズ」の「i70」、「i80」、「i95」の3つを実際に打ってみて検証しました。

画像: 「スチールファイバー iシリーズ」の3モデルを7番アイアンに装着し、フレックスSとRを試打して検証。ヘッドはEPON 「AF 306」を使用した

「スチールファイバー iシリーズ」の3モデルを7番アイアンに装着し、フレックスSとRを試打して検証。ヘッドはEPON 「AF 306」を使用した

最軽量モデルの「i70」は先中調子、ベースのカーボンの性能で先端部が走る感じがしますね。この先端部が少しボールを拾ってくれて、高弾道でグリーンを狙うことができます。
フレックス別に見ると「S」は先端部の走りすぎないため左右のバラツキは少なく、左への巻き込みも抑えられています。これはカーボンとスチール、両方のメリットが出ているといえるでしょう。「R」はイメージ通りしなやかで、ボールをしっかりとらえ、スムーズにターゲットに運びやすい印象です。フィニッシュまで振り抜くスインガータイプの人にいいでしょう。現在、カーボンシャフトをお使いの方で、飛距離性能はそのままで方向安定性をアップさせたいという人にいいでしょう。

次に打ったのは「i80」。キックポイントは中調子。
「i70」に比べて軽快感は抑えられて重量感が増す印象です。先端部の走り感はあまり感じませんが、しっかりした厚いインパクトを実現できます。手元側の剛性も高く、切り返し時に嫌な動きも感じません。しっかり打ち込めるタイプの方は「S」でも弾道の高さは出せると思いますが、打ち込めないと少し低くなるでしょう。ドローボールでターゲットを狙ってもつかまりすぎることなく、弾道のイメージのしやすさを感じます。「R」はダウンスウィング時に手元側がしなり、しっかりボールをとらえられます。安定性を犠牲にせず飛距離性能も求めたい方にぴったりではないでしょうか。操作性を重視するなら少し軟らかめを選ぶのがいいですね。90~100グラム台のスチールシャフトをお使いの方がリシャフトするなら一度試して頂きたいと思います。

最後に「i95」。シャフトのキックポイントは中元調子。使用プロが米ツアーで活躍したことで「スチールファイバー」を世の中に認知させるきっかけを作った代表モデルです。
「S」は手元側の剛性も高く打ちごたえがありますが、ただ硬いだけでなく、しなやかさも感じ、シャフト全体の重厚さを感じます。先端部の剛性はカーボンのみで作られたシャフトほど強すぎず、適度なつぶれ感があるため、ボールの下部にフェースが入りやすく、インパクトの再現性が高く、安定した弾道が打てるイメージです。
「R」は切り返しでタメが作りやすくシャフトをしなやかに使うことができます。「S」より弾道も高く、スウィンガータイプのや緩やかな軌道でショットする人にも振りやすいと感じられるシャフトだと思います。どちらのフレックスも左へつかまりすぎることはありません。バックスピン量も多すぎることはないですが、グリーンでしっかりボールが止まり、いい感じだと思います。「S」は切り返しがしっかりめで打ち込んでいくタイプ、「R」はシャフトのしなりを使いたいスウィングタイプの方に合うと思います。

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