1991年に登場した初代が国内で10万本を売り上げ、数々の後継機が生み出されてきた、キャロウェイの「ビッグバーサ」シリーズ。いまでこそ名を冠した後継モデルの発売は継続的におこなわれていないが、ミスに強いやさしさを持つその性能や設計思想は、その後のモデルにも脈々と受け継がれている。
今回は1997年に登場した「ビゲストビッグバーサ」を試打することに。同モデルはビッグバーサシリーズとしては3代目。1995年に発売された「グレートビッグバーサ」の250ccというヘッドサイズも、当時としてはかなり大型だったが、それを上回る290ccを実現したモデルだ。ではさっそく、プロゴルファー・堀口宜篤に見た目の印象を聞いてみよう。
「発売時、僕も飛びついて買ったモデルで、そのやさしさにクラブの進化を感じましたね。当時は290ccというヘッドサイズはかなり大型ヘッドという印象でしたが、今となっては小さく見えます。構えた感じも懐かしいですね。ディープになっていて、球が強そうです」(堀口、以下同)
ではでは次に、ボールを打った時の評価はどうだろうか。ロフト9度のモデルでの試打データの平均値は以下の通りとなった。
【堀口のビゲストビッグバーサの試打結果】
HS45m/s キャリー235.8Y トータル257Y 打ち出し角15.1度 ボール初速62.8m/s スピン量2465.3回転
「やはりやさしさは今でも感じますね。ミスヒットにも強めですし、飛距離も結構出ています。キャロウェイらしい、ちょっと甲高い弾いたような打音が特徴的ですね」
ただ、進化した最新のチタンドライバーと比べると、やはり見劣りする部分はあるという。
「チタン素材って薄くても強度があって、最新ヘッドのように460ccまで大型化しつつ軽量化もできるのが大きなメリットなのですが、ビゲストビッグバーサは今の460ccのドライバーと比べると厚みがあり、そのぶん飛距離が少し落ちますし、打った時の衝撃が少し手元に残ります。また、当時は結構つかまる部類のモデルだったのですが、改めて打つとチタン初期の滑って逃げていく感じが少しありますね」
とはいえ「初速性能もそこまで見劣りしないですし、総重量は今のクラブとそこまで変わりません。サイズ感としては現代のミニドライバーくらいですから、今でも全然使えますね」と堀口。発売から約25年経っても、名器は名器ということだろう。
協力/PGST