国内女子ツアー「宮里藍 サントリーレディス」最終日、首位と4打差の4位から出た山下美夢有が68とスコアを伸ばし、逆転で今季2勝目を挙げた。現時点で複数回優勝はすでに5勝を挙げている同い年の西郷真央と2人だけ。メルセデスランキング、賞金ランクでも西郷に次ぐ2位に浮上した。

この日、唯一のノーボギーで先にホールアウトした山下は首位に並ぶ藤田さいきの18番パー4のプレーを待つ展開。当然、プレーオフを想定していた。そんななか、藤田の2打目はグリーン左サイドの池に一直線。勝負あったかと思われたが、ボールは池の淵の岩に当たって大きく跳ね、逆サイドのバンカーに飛び込んだ。しかし、藤田はラッキーを生かし切れず痛恨のボギー。36歳のベテランと20歳の新鋭の対決は後者に軍配が上がった。

山下は高校3年生だった2019年にアマチュアとして今大会に出場(34位タイ)。「(宮里)藍さんとの質問コーナーがあって、いろいろとアドバイスをいただいて、学ぶことがたくさんありました」。当時の山下は今以上に小柄な選手だった印象が強い。身長150センチは恐らく変わっていないだろうが、プロテスト合格後に取り組んだ筋トレで体はひと回り大きくなった。コンディションの違いもあるため、単純に比較すべきではないかもしれないが、大会での平均飛距離は2019年229.625ヤードから今年は234.125ヤードと約5ヤード伸びている。宮里も「美夢有ちゃんは小柄でもまだ飛ぶほうだと思う」と評した。

画像: 逆転で今季2勝目を挙げた山下。賞金ランキングとメルセデスランキングで西郷真央に次ぐ2位に(写真は2022年宮里藍 サントリーレディス 撮影/姉崎正)

逆転で今季2勝目を挙げた山下。賞金ランキングとメルセデスランキングで西郷真央に次ぐ2位に(写真は2022年宮里藍 サントリーレディス 撮影/姉崎正)

山下は今大会の上位2人に与えられる海外メジャー「AIG全英女子オープン」の出場権を獲得。ただ、実際に出場するかについては「調子がよければ行ってもいいかなと思うし、行きたい気持ちもあるんですけど、行くからには予選を通って上位で戦いたいので、今のこの技術でと考えるとちょっとまだ……」。今月おこなわれた「全米女子オープン」は同じ理由で出場を見送っている。藤田が「この年でまさかの初めてなんですよ。こんなチャンスはなかなかない」と36歳での初海外メジャーを喜んだのとは対照的な反応だった。

アマチュアとして出場した2019年は1日空いて翌週の火曜日から団体戦の「トヨタジュニアワールドカップ」(愛知)に出場。ハードな日程のなか、現在はプロとして活躍する岩井明愛、後に「オーガスタ・ナショナル女子アマ」を制する梶谷翼とともに日本に優勝をもたらした。国内での試合だが、この大会で海外の選手たちとプレーした経験はきっと今に生きているはず。海外メジャーに挑戦するにしても、国内に専念するにしても自身のさらなる成長につながる選択をすることを願いたい。

画像: トレーニングでひと回り大きくなり、ドライバーの平均飛距離もアップしている(写真は2022年宮里藍 サントリーレディス 撮影/姉崎正)

トレーニングでひと回り大きくなり、ドライバーの平均飛距離もアップしている(写真は2022年宮里藍 サントリーレディス 撮影/姉崎正)

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