長い番手はやさしいモデルを使い、短い番手は操作性に優れるモデルを使う。異なるモデルを組み合わせてひとつのアイアンセットを作る、いわゆる「コンボ」セッティング。
考え方自体は古くからあり、個人的にやっているプロ、アマチュアも多かったことだろう。製品として脚光を浴びたのは「ナイキ プロコンボ」。マッスルバックを使うタイガーに対して当時世界ナンバー1のデビッド・デュバルの使用モデルとして登場。ロング~ミドルアイアンがハーフキャビティ、ショートアイアンはマッスルバックという2種類のアイアンを「コンボ」させたモデルだ。
このようなモデルが登場したことで「コンボセット」を組んだはいいが、希望のセットを作ったら、使わない1セットが残ってしまった……、といったことはなくなった。
時が経ち、マッスルバックが代名詞だったあのタイガー・ウッズでさえ、全米プロ選手権でロングアインを「P・770」にするというコンボセットをテスト。リディア・コは「PROTO CONCEPT」の「C07」と「C05」を組み合わせて使っている。
ここにきてプロもコンボセットを使うようになったのは技術の進化でやさしいモデルも難しいとされるモデルも見た目がそれほど変わらなくなったためだ。
ほぼマッスルバックの形状で中空構造になっていたり、キャビティでタングステンなどの異素材が装着されていてもぼってりすることはなく、やさしく仕上がっていたりする。
さらにフォーティーンの「TB-7」のようにコンボセットを前提として作られているモデルもある。どういうことかというと、ヘッドのサイズとやさしさは違えど、番手のロフトが同じなのだ。だから、たとえば5番、6番をヘッドが大きくやさしい「TB-5」、7番、8番、9番、PWを少しシャープな「TB-7」にするという組み合わせが作れる。キャディバッグに入れても構えてみても違和感がない。形状が近いアイアンでもモデルをまたぐとロフト設定が違うため、番手が重なることなどを妥協しなければならなかったが、このようなタイプであればその心配はないし、メーカーによっては単品で購入できればるところもある。
カタログでアイアンのスペックを眺めながら、あなただけの“かっこいい”コンボセットを考えてみてはいかがだろうか?