ドローにも負けない強い弾道で左に打ち出されてターゲットに戻ってくるフェードボール。アマチュアゴルファーの憧れる弾道を打つにはどんな動きが必要なのだろうか。プロゴルファーでフィッター、トラックマンマスターの資格をもつ、三刀流プロ・小島慶太に聞いてみよう。

フェードボールを打とうとするならアウトサイドインに振ればいいのはわかっているのだが、飛ばない、曲がりの幅をコントロールできない、というアマチュアゴルファーも多いはず。そこでプロゴルファーでTPIレベル3、タイトリストフィッティングスペシャリスト、トラックマンマスターという3つの肩書きをもつ“三刀流プロ”・小島慶太にトラックマンを使って試打し、データを解読。アイアンで打つフェードボールのメカニズムと打ち方のポイントを教えてもらった。

画像: 画像A 入射角4.2度ダウンブロー。クラブパスは5.8度インサイドアウトでフェースアングルは2.9度右向き、その差2.94度がフェードボールを打つメカニズムだ

画像A 入射角4.2度ダウンブロー。クラブパスは5.8度インサイドアウトでフェースアングルは2.9度右向き、その差2.94度がフェードボールを打つメカニズムだ

「打ち出しが左に飛び出して右に曲がってターゲットに戻ってくるフェードボール。データを見てみると、アイアンの場合、打ち出し角はインパクト時のフェースの向きに75%影響されるので2.9度左のフェースアングルで左へ打ち出し、振っていく方向はクラブパス5.8度のアウトサイドイン軌道によりターゲットへ戻る弾道となります」(画像Aのトラックマンによる試打データ 小島慶太プロ、以下同)

トラックマンの数値を見ると小島の解説通り、クラブ軌道は5.8度に左に向き、フェースの向き2.9度左、フェース向きとクラブパスの差であるフェーストゥパス2.9度の差がボールのスピン軸を右に傾ける役割をするため、左へ打ち出されたボールがターゲットへと戻ってくる弾道となっている。

飛距離を落とさないフェードボールになるための条件として、クラブ軌道は5度前後のアウトサイドインをひとつの目安としたい。これ以上のアウトサイドイン軌道が強くなれば曲がりの幅が大きくなりスピン量も増えて飛距離は落ちてしまう。

注目して欲しいのはスウィングダイレクション(スウィングの面)の-8.5度という数値。クラブの最下点より右側はダウンブローで入るが、軌道はインサイドアウトになってしまうため、アウトサイドイン軌道にするためにはスウィングダイレクションを8.5度左に向けることでダウンブローで入りながらアウトサイドイン5.8度の軌道でインパクトできている。

質のいいフェードボールを打つポイントを教えてもらった。

「フェードボールを打つためには、スウィング面を左に向けるためにスタンス向きや胸の向きなどアライメントを調整しアドレスします。そしてフェードボールだけでありませんがアイアンを打つうえで大切なのは入射角の確保です。トップからの切り返しでクラブをリリースしてしまうと入射角が足りずに飛距離は落ちます。切り返しから体幹でクラブを引っ張るように使うことで左腕とクラブの作る角度がキープされることで入射角とヘッドスピードが確保され高弾道のフェードボールが打てるようになります」

画像: 画像B アウトサイドイン軌道で打とうとして手元が外から入りクラブも早い段階でリリースされてしまうと飛距離が出ない。クラブを体幹で引っ張るように使うことで入射角を確保し高弾道のフェードボールが打てる

画像B アウトサイドイン軌道で打とうとして手元が外から入りクラブも早い段階でリリースされてしまうと飛距離が出ない。クラブを体幹で引っ張るように使うことで入射角を確保し高弾道のフェードボールが打てる

アウトサイドイン軌道であっても、しっかりとフェースにボールが乗って少しでも長く押せるインパクトを実現したい。そのためには体幹でクラブを引くように使い、分厚いインパクトで距離の出るフェードボールを打つ。さっそく試してみてはいかがでしょうか。

取材協力/Keith Golf

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