これまでの多くのアマチュアゴルファーのレッスンや原江利奈、堀琴音、香妻陣一朗らプロコーチとしての経験を積んだ森守洋は、打法や流行に流されずゴルフクラブという道具の使い方を習得すれば「ゴルファーはもっと簡単に上手くなれる」とインストラクター向けのセミナー開催している。
5時間以上に渡ったセミナーの内容を一部紹介すると、現代のルールに従ったゴルフクラブという道具は、素材の進化はあれども、その形状は大きく変わってはいない。具体的にはグリップの延長線上からずれた位置にあるフェース面(重心距離のある偏重心)でボール打つ、という限りスウィングも大きく変わらないというもの。
もちろん体格やパワー、可動域など打ち手の個体差によるスウィングの形に違いはあるが、クラブの使い方という観点から見るとすべてのゴルファーに共通する原理原則の考え方から、実践的な教え方、言葉使いまでと内容の濃い時間を提供していた。
「森ゼミ」を始めたきっかけを聞くとジュニアアカデミーを開講しようとインストラクターを集めたところがスタートだったと話す。
「プロやインストラクターを集めてセミナーを始めてみたら、優秀なインストラクターが多くてうれしい驚きがありました。新しいものを取り入れたり学ぶ姿勢も素晴らしいです」(森守洋)
参加したインストラクターに話を聞くと、
「自分がジュニアのころに森コーチのような指導者に出会いたかった。これからはジュニアゴルファーにとって自分がそういう存在になれるように学んでいきたい」(群馬県から参加した折茂あやめさん)
ゲスト講師として、スウィング中のゴルフクラブにかかるエネルギーを物理的に解析した「ジェイコブス3D」のアンバサダーを務めるタスクさんも登壇し、「偏った重心を持つゴルフクラブをコントロールするためにはクラブを押すのではなく引いて使う、ハンマー投げのように引く力で振ることが重要」(タスク)と説いた。
いっぽうでレッスンを生業とするインストラクターも自分のスキルを上げたり学ぶ機会が少ないのも実情として見えてくる。「これまでは雑誌や海外からの情報をもとに体の動きにばかりとらわれていて、クラブの動きや扱い方を重視してこなかった。今回のセミナーでゴルフスウィングやレッスンに対する理解がより深まって学べることが多かった」((インドアゴルフスタジオを経営する双子のインストラクター坂場将希、大希さん)
今回で7回目となるセミナーには全国から18名の若手インストラクターが参加費を払って受講し、セミナー中、セミナー後にも活発な質問が飛び交っていた。
「レッスンを受けに来たお客さんをどんどん上手にして、ゴルフを楽しんでもらうことが楽しいんですよね。レッスンでお金を稼ぐことは、人の役に立っているということ。人の役に立てるから稼げるというということだと思うんです。稼げるインストラクターになってもらうために惜しみなく伝えていきたいですね」(森守洋)
80名以上いる森ゼミ卒業生たちのSNSを見ると、初心者でもプロのようなスウィングで打っているレッスン風景を目にできるようになってきている。森ゼミ出身のインストラクターに注目してみよう。