「ニチレイレディス」の初日、プロゴルファー・中村修が注目したのは持ち球をドローからフェードに変え今季2勝目を狙う小祝さくら。昨年のスウィングと比較してみた。

4週前のブリヂストンレディスオープンで予選落ちすると翌朝には今季からコーチ契約をする兵庫の吉田直樹のもとを訪れスウィングを修正。その効果がさっそく表れ「リゾートトラストレディス」で今季初優勝を挙げると翌日に渡米し全米女子オープンに出場。日本勢最上位の20位タイで終え、帰国後のサントリーレディスで8位タイとまさに鉄人ともいえるスケジュールをこなしながら成績を残す小祝さくら選手。そのプレーをじっくりとついて歩いて見てきました。

画像: 日米を股にかけたハードスケジュールのなか、好調をキープし続ける小祝さくら

日米を股にかけたハードスケジュールのなか、好調をキープし続ける小祝さくら

1番パー5でバーディと幸先よくスタートしますが、そのあとなかなかパットが決まりません。6番パー3でグリーンを外してボギーとしますが8番、9番をバーディとし2アンダーでターン。11番、14番と順調にスコアを伸ばしますが16番でボギーとし3アンダー、13位タイで終えています。

ドライバーショットは軽いフェードで左フェアフェイからセンターに。アイアンでは、左ピンにはピンから落ち際に右に流れる品のよい弾道で、右に切られたピンには積極的にピンを狙うように弾道もコントロールされていました。数か月の間に左へ引っかける割合が格段に少なくなって来ていますし、パットも安定してきているのでスコアに結びいています。

1年前の「サントリーレディス」と今週のスウィングを比較してみました。まず、アドレスの向きの違いがハッキリわかりますね。画像Aの左はフェードのアドレス、右はドローのアドレスです。

画像: 画像A 左が今週のフェードを持ち球にしたアドレス、右は1年前のサントリーレディスでのドローを持ち球にしたアドレス(写真右/姉崎正)

画像A 左が今週のフェードを持ち球にしたアドレス、右は1年前のサントリーレディスでのドローを持ち球にしたアドレス(写真右/姉崎正)

そしてトップの大きさも大きく変わっています。トップはコンパクトで下半身のゆるみも少なくなっていますね。ターゲットラインに対してクロスしていたシャフトの向きも、その度合いは少なくなっています。

画像: 画像B 左の今週と1年前(サントリーレディス)と比べるとトップの大きさもコンパクトになっている(写真右/姉崎正)

画像B 左の今週と1年前(サントリーレディス)と比べるとトップの大きさもコンパクトになっている(写真右/姉崎正) 

画像Cの左ではスタンスや体の向きを左に向け、クラブ軌道を昨年までのインサイドアウトからイントゥインの軌道にしていることが見て取れます。ヘッドを投げ出すような動きから体の回転に沿って左へ振り抜いています。

画像: 画像C クラブ軌道を左に向け振っていることで振り出す方向の違いが見て取れる(写真右/姉崎正)

画像C クラブ軌道を左に向け振っていることで振り出す方向の違いが見て取れる(写真右/姉崎正)

ドローからフェードに持ち球を変えわずか数か月後の開幕戦からショットの安定感に大きな改善がみられていました。コーチを変え、持ち球も変えるという大きな決断は、後戻りはできない、前に進むしかないという背水の陣であったに違いありません。その気持ちに応えた吉田コーチとの成果が早くも表れたケースになっています。

吉田コーチに習うきっかけは、オフに谷原秀人選手とプレーする機会に恵まれたことだといいますので、小祝選手にかかりきりなっても谷原選手も文句は言わないでしょう。スウィングをいろいろ試したくなるという谷原選手は、「疑問になんでも答えてくれるし、吉田コーチの持つ知識や経験が頼りになる」といいます。型にはめずに選手のいいところを引き出す吉田コーチのコーチングも谷原秀人、上井邦弘、小祝選手とタイプの違うプレーヤーであっても成果が出ることにつながっているようです。

全米女子オープンのあとアメリカに残ってティーチングの情報収集しているというので、つねアップデートも忘れない吉田コーチにも注目していきたいと思います。

初日の様子に話を戻すと、佐藤心結選手が後半を1イーグル5バーディの29と爆発しトータル8アンダーまでスコアを伸ばし単独首位に。1打差の2位に西村優奈選手、2打差に有村智恵選手と続いています。しばらく低迷の続いていたルーキーの佐藤選手ですが、のびのびとプレーできるようになり本領発揮といったところ。上位陣の選手たちを見ても優勝への道のりは簡単ではありませんが、いいチェレンジになりそうです。

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