静岡県・グランディ浜名湖ゴルフクラブ18番ホールは右ドックレッグのロングホール。グリーンは浮島になっているので2オンは難しい。攻め方としては、2打目で安全に刻んで3打目で勝負がセオリー的な攻め方だ。
「ティーショット、セカンドショットと思った通りの所に飛び、セオリー通りに3打目勝負という状況になりました。ライは若干のつま先上がりで、ピンはグリーンの左サイドに切ってあります。ここで迷ったのは風です。左から右にけっこう強めの風吹いていたので、普通に考えればピンの左に打ち出して、左からの風にボールを乗せてピンに絡めていくショットを打とうと思うケースです」
ただし懸念点として挙げられるのが、若干のつま先上がりのライなので球がフックしやすくなるという点。これをどう考えるかだが、清水キャディからは次のようなアドバイスが発せられたという。
「憲さんからは『この状況は左への引っ掛けが出るケースなんだから。風は左から右に吹いているけれど、それでもつかまえにいかないように、少し抜けさせる球を打って欲しい』と言われました。つま先上がりのフック傾斜と左からの風との相殺を見込んだマネジメントですが、それにしても『少し抜けさせる球』となると、風に余計に右に持っていかれてピンから外れてしまう可能性もあります」
小澤が未だ迷っていると、さらに清水がこう付け加えた。
「憲さんは『このショットはパー5の3打目なので、なによりグリーンに乗せるということが一番大事。球が右に持っていかれても、グリーンのセンター辺りに留まればバーディチャンスになるわけだから。ここは少し抜けさせる球で行こう』と言われて、実際にそのように打てて、結果もバーディだったので、ホールアウトをする時に『ナイスだったね』と言われました」
パー5はバーディが欲しいホールなので、短い距離の3打目はピンに寄せたいので気持ちが入りがちだが、ライはつま先上がりなのでつかまったフックになる確率は低くない。このホールがアイランドグリーンだということを考えれば、つかまり過ぎたフックボールは取り返しのつかない池ポチャという可能性もある。
そういったことを考慮に入れて、プレーヤーへ「少し抜けさせる球を打とう」というのは、肩の力を抜かせセーフティに打っていくという、清水キャディのナイスアドバイスだったわけだ。