今回はグリーンでのライン読みについて考えていきたいと思います。
私が最近気になるのが、他人のラインを参考にしようとしてプレーの線の後方に立って盗み見ようとする方の多いこと。気持ちはわかりますが、これはれっきとしたマナー違反ですし、第一みっともない。そんなことしなくてもスマートに他人のパッティングを参考にする方法があります。
グリーン上だけでなく、他のプレーヤーのプレーを見ていることはボールの行方を失わない意味でも大切ですが、自分のプレーの参考になる点も多くあります。とくにロングパットでは、ほかのプレーヤーが先に打ってくれるととても助かります。自分のボールの後方に同伴プレーヤーのボールが止まると「あ、先生が来てくれた!」なんて歓迎したりします。
「ほかのプレーヤーのプレーを見て自分のプレーに役立てる」ために大切なのが、「そのプレーヤーの状況をしっかり観察し、自分ならここを狙ってこう打つ、とイメージしてみること」です。それはそのプレーヤーのプレーの線の後方に立たなくてもできることです。とくにグリーン上で大切なのはグリーン全体の大まかな傾斜を頭に入れておくこと。
その組で一番先に打つプレーヤーのパッティングを、グリーン全体を視野に入れて見ておくことで、「ああ奥からはあんなに速いのか」などと大まかな特徴を把握することが出来ます。その際、余裕があれば自分なりにラインやタッチを予測してみること。「おお、意外と遅いな。」とか、「あんなに切れるのか」などと、得た情報をより細かくフィードバックすることが出来ます。
やってみると分かりますが、結構離れた場所からでも、むしろ離れた場所からのほうが不思議と予測が当たることが多くなります。テレビや動画でトーナメント中継を観ている時も画面越しなのに、プレーヤーが打ったロングパットが、「ラインに乗っている!」なんて確信できたりします。これはやっぱり「グリーン全体や周りの地形から大まかな傾斜が頭に入っている」から、なのではないでしょうか?
自分もそうですが、「絶対に外したくない」パットほど自分のボールとカップの間だけに意識が集中するあまり、視野が狭くなり、グリーン全体の傾斜を見落として、ラインを間違えてしまうことがあります。自分では一度ボールとカップから離れた場所に立ち、視野を広くするように気をつけています。
また、ほかのプレーヤーのプレーを参考するに当たって注意して欲しいのがそのストロークがキチンと芯でヒットされたものなのかどうか、ということです。ミスヒットしたストロークではボールの転がりは不安定になりますのでラインはあまり参考にはなりません。
「今3メートルもショートしたのはグリーンが重いのではなく、ミスヒットだな」とわかれば変に惑わされることも少なくなります。またプレーヤーによって、ボールの転がりにも個性があります。一緒にプレーする機会の多いプレーヤーなら「あの人はつねに強気だから、ラインも薄めなんだよな」などとそうした個性を加味したうえで参考にするといいでしょう。
「少し離れた場所から他人のラインを真剣に読む」。次のラウンドで是非試してみてください。