「アース・モンダミンカップ」の2日目は最大瞬間風速18.8メートル(14時時点)という強風の中、選手たちは難しい一日のプレーを終えた。稲見萌寧と山下美夢有に注目したプロゴルファー・中村修の現地からのレポートをお届け。

現在のメルセデスランキング1位をゆく西郷真央選手は海外メジャーに出場のため、同ランク2位で8アンダー首位発進の山下美夢有選手と同ランク3位で7アンダー2位発進の稲見萌寧選手に注目して歩いてきました。朝から風は強く、強弱も風向きも瞬間的に変わるなかで、深いラフ、そしてグリーンも乾いてスピードが増す難しいコンディション。どの選手もショットだけでなくパットでもボールが動いたり、風に乗って転がり過ぎたり、風のせいで曲がらなかったりと風に翻弄されていました。

画像: 国内女子ツアー「アース・モンダミンカップ」初日を単独首位で終えた山下美夢有(左)と単独2位で終えた稲見萌寧(右)。読みづらい風が吹く2日目を終えて、両者とも5アンダー2位タイとやや後退しながらも耐えきった

国内女子ツアー「アース・モンダミンカップ」初日を単独首位で終えた山下美夢有(左)と単独2位で終えた稲見萌寧(右)。読みづらい風が吹く2日目を終えて、両者とも5アンダー2位タイとやや後退しながらも耐えきった

インコース8時25分スタートの山下選手は、前半を2ボギーと耐えながらもスコアを落とし、後半は1バーディ2ボギーで3オーバーとし、トータル5アンダーで2日目を終えました。風の中でも一定のリズムで安定したスウィングをしていましたが、風向きや強さが瞬間的に変わる風にフェアフェイキープもパーオンもさせてくれないといった状況でした。ラウンド後の会見では難しいコンディションだったこと、1オーバーくらいに収めたかったと話しましたが、「パットのときは腹筋を意識しながらブレないようにしながらやっていました」と強風に対処したといいます。

山下選手は先週の「ニチレイレディス」は3位でしたが、フェアフェイキープ率は42回中38回という驚異の90%超えを記録していました。昨日の初日はその安定したティーショットにパットも決め、8アンダーのコースレコードタイを叩き出していました。しかし今日の風の中ではその山下選手ですらフェアフェイキープが難しくスコアを3つ落とすことになりましたが、最後までテンポの変わらない安定したスウィングは見事でした。

画像: 前週大会ではフェアウェイキープ率90%超えを叩き出した山下でさえ、風に悩まされラフに外す場面も見られた

前週大会ではフェアウェイキープ率90%超えを叩き出した山下でさえ、風に悩まされラフに外す場面も見られた

山下選手の一組後ろでスタートした稲見萌寧選手は、風の中前半の17番まで2つのバーディーを奪ってスコアを伸ばしていましたが、18番で風に翻弄され右のペナルティエリアにボールが消えダブルボギーとしてパープレーで折り返します。後半は10番で1.5メートルほどのバーディチャンスを決められず、5番もボギーと苦しい時間が続きましたが6番で15メートルほどのバーディパットが入り何とか流れを引き戻します。ところが9番のパー3でまたもや風に右に流され池ポチャのダブルボギーとし3オーバー。トータル5アンダーで2日目を終えました。

画像: 稲見も風に翻弄され、2度のダブルボギーを叩いてしまう

稲見も風に翻弄され、2度のダブルボギーを叩いてしまう

18番といい9番といい、思い通りに打ったボールが風の影響でペナルティエリアまで流されるアンラッキーもありましたが何とか上位に踏みとどまっています。稲見選手も先週の「ニチレイレディス」では54ホール中43回のパーオンでほぼ80%というパーオン率を記録しています。昨日の初日も16回のパーオンという好調さでしたが今日は風に翻弄されました。しかし、持ち球のフェードだけでマネジメントするシンプルさとアプローチからピンを狙うアイアンショットの距離感は見事でした。

ラウンド後の練習はチェックポイントは決まっているのでしょう、わずかに十数球打っただけで終わりにしていました。山下選手はコーチを務める父勝臣さんと打出しの方向を入念にチェックしていました。明日も強風が吹く予報なので、スコアを伸ばすというよりは崩れないゴルフで最終日に向けていい位置で終えたいところです。

午後スタート組も、15時9分時点で最大瞬間風速が19.6メートルに更新されるなど、難しいコンディションが続いた2日目を終え単独首位に立ったのは、本日をイーブンパーでプレーしトータル6アンダーのささきしょうこ選手。前述の通り明日も強風が予想されますから、スコア争いもより熾烈になりそうです。

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