「バンカーが苦手な理由として、圧倒的なのはフェースを開くことに慣れていないケースです。よくバンカーのレッスンで『フェースを開いて構えましょう』と耳にすると思いますが、開いた見た目に違和感を覚えてしまうんですよ。そのため、アドレスでフェースが開けていても、どこに当てたらいいのかわからなくなり、打つときにはスクエアの状態に戻してしまっているゴルファーは少なくありません」(石井)
初心者ゴルファーがコースデビューをすると、必ずといっていいほどバンカー地獄を経験するもの。1度入ると、1回で脱出することが難しく、3、4打……打っても打っても脱出できないなんてことも少なくない。そんな状況を少しでも回避するために、フェースを開くことに慣れておく必要があるそうだ。
「通常のショットでまず最初に地面に当たるのはリーディングエッジ(フェースとソールの境界線)ですが、バンカーで同じように打つとクラブが砂に潜り過ぎてしまい、脱出できないなんて状況になりやすい。ですからバンカーでは砂に潜り過ぎないように、トレーディングエッジ(ソールとバックフェースとの角)を最初に当てるイメージを持つことが大事。そして、そのためにはフェースを開いたまま打つことが第一条件となるわけです」
フェースを開くことに慣れていないと、インパクトで無意識にフェースを閉じる動きをしてしまうためリーディングウェッジが当たってしまう。そうすると、バンカーは脱出できず、大叩きの原因となるのだ。では、どうしたらフェースを開くことに慣れることができるのだろうか。
「まずはアドレスでバックフェースを地面にベタ付けします。そして、最初は手だけでテークバックし、インパクトで地面に叩きつける。このときにバックフェースがアドレス時と同じように地面にベタ付けになっているか、インパクトで止めてしっかりと目視しましょう! このときにフェースを開くことに慣れていないゴルファーは無意識にフェースを閉じる傾向にあるため、きちんとベタ付けできるまで反復練習していきましょう」
コースではバックフェースをベタ付けをするほどフェースを開く必要はないが、完全にフェースが上を向くほど開く練習をしておくことで、フェースを開くことに対して抵抗は少なくなるはずだ。そのうえで、バンカーショットでは「砂を旗まで飛ばせる威力で振ることを意識する」ことが重要だという。
「砂を旗まで飛ばせる威力というと、飛び過ぎないかな?と不安に感じるゴルファーは少なくないですが、フェースを開いているため飛びすぎることはありません。ボールは真ん中よりやや左寄りにし、フェースは45度くらい開き、その分、体も開いたら準備OK。あとはフェースを開いたまま、スウィングすると意外と簡単に脱出するはずですよ!」
撮影協力/Bforce GOLF