ラウンドの最中にぼんやりと「100切り」の達成が見えてくると、スコアを落としてはいけないというプレッシャーからプレーがぎこちなくなってしまう、なんて経験をしたことのあるゴルファーは少なくないだろう。
いいスコアで上がるためには「スコアに囚われず、目の前の一打一打に集中することが大切です」と兼濱。そしてそれを達成するためには「しっかりと事前に“準備”をしてラウンドに臨みましょう」と続ける。
「あくまで僕の考え方ですが、ラウンドの途中でスコアに執着してしまうのは、事前にラウンド全体の流れをイメージしておらず、わからないからだと思います。僕たち人間って、わからないことに対して恐怖するし、わかることに対しては恐怖しないんです。たとえば通勤途中、いつも通る道で『どうしよう、もし道を間違えたら……』なんて思わないですよね。同じように、ゴルフでも事前にラウンド全体の流れをイメージしておくことが、目の前の一打に集中するために万人ができる準備だと思っています」(兼濱、以下同)
たとえば、ラウンド予定のコースのホームページなどでコースレイアウトを事前に確認しておき、自分の飛距離やスキルと照らし合わせて、どのホールならいいスコアが出せそうか、逆に大叩きしてもしょうがないと割り切るホールはどれかを精査しておく。そうやって18ホール全体の流れをイメージしておけば「ミスに動じないための“心の予防線”がしっかり引けるはずです」と兼濱。
「事前に何も準備せず行き当たりばったり、その場でアドリブ対応を続けているとやはり焦ってしまいます。結果として、途中までいいスコアが出せたとしても、一度ミスしたときにスコアを取り戻そうと無茶なマネジメントに走ってしまったりして、自分で自分を追い込んでしまうわけです」
自分がプレーするコースの情報を確認して、どの程度スコアを稼げて、どの程度スコアを落としそうなのかをチェックしておく。こう聞くと「スコアに囚われない」という言葉と矛盾しそうだが、それはあくまでプレー全体のマネジメントの話。この事前準備をしっかりとしておくことで、実際にラウンドする際にもスコアの推移がざっくりとイメージでき、スコアに囚われず目の前の一打に集中できるというわけだ。
この状態が作れれば「あとは実際のプレーの出来によって、スコアの貯金と借金がホールごとに積み重なっていくだけ。残りホール数と相談しながらプレーする余裕も生まれてくるでしょう」と兼濱。ぜひ次回のラウンドでは、事前にコースレイアウトをチェックして各ホールの予想スコアを事前に考えてから挑んでみてほしい。
協力/広尾ゴルフインパクト