先週の女子ツアー、「アース・モンダミンカップ」。
元祖・天才少女の金田久美子が7年10か月ぶりに最終日最終組でプレーした。今週開催されている「資生堂レディス」には出場できていないが、この活躍によってリランキング後にまた元気な姿を見せてくれるだろう。
優勝争いとともに注目されたのが、彼女が使ったパターだ。「おむすび型」?「太巻き型」?
黒いマレットで真ん中が筒のようになっている。かつてはオデッセイを使っていたが、オデッセイにこのようなモデルはない。
あまりにもパットに悩む金田を見るに見かねてキャディが「明治安田生命レディス」でアマチュアにいいと言われているパターを渡したのだという。
そこから金田は復調のきっかけをつかんだのか、グリップもオリジナルのまま使い続けている。
この黒いパター、三重県にある「ナリーズ」という会社が製作している「GOLDILOCKS」(ゴルディロックス)というパターで金田が使っているのは「MODEL922 ALL BLACK」というタイプだ。
大学でゴルフを始めたという堀口朋徳さん、佳徳さん兄弟が企業。自動車設計に15年ほど携わり、そこでデザイン設計を学び、この技術を何か好きなゴルフに生かせないかと考え、パターの設計を始めた。
「これまでにあるデザインやアライメントの常識から外れた設計が必ずあるはず」と、この形にたどり着いた。
いちばん特徴的なのはこの円柱型のアライメント。フェース側から見ると上部が丸く、半円部分が飛び出ているのがわかる。
これ、じつはボールと同じ丸みをもち、ラインで方向性を出すだけではなく、この上の部分がボールの高さと合ったときに、パターの芯でボールの芯を打つことができるというものだ。
確かにラインやマークといった平面的なアライメントのシステムより、立体的なアライメントでしっくりと構えられそうなシステムだ。
そのほか座りのよさを考えてデザインされたソール形状、素材を組み合わせることで慣性モーメント大きくするなど、新しいアイデアが詰まっているパターだ。
金田のようにパットに悩んでいるゴルファーで、マレット型が好きという人には救世主となるかもしれない。
いままでのパターにはなかった発想で作られた「GOLDILOCKS MODEL922」にはブラックとシルバーの標準カラーモデルやネックが違うタイプものもある