みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕はつねにゴルフ雑誌やインターネットからいろんな情報を収集しております。そのなかで「これは!」と思った練習方法や、ドリルなんかを試してみるわけです。でもね、レッスン記事だけからヒントを得ているわけではなく、ニュース的な記事や、スウィング解説とかからも、役に立ちそうなことがあれば試してみたりすることにしています。
週刊ゴルフダイジェスト7/19号の巻頭に全米オープンに優勝したフィッツパトリックのクロスハンドアプローチの記事が載っていました。見開き2ページだけの記事ですが、クロスハンドアプローチをやるうえでのポイントや利点がちょこっと書いてあったので試してみることにしました。
クロスハンドといえば、パッティングのときにやっているプロはよく見かけますが、クロスハンドでアプローチをしているところを見ることはほとんどないですよね。でも、クロスハンドアプローチで全米オープンに勝ってしまうわけですから、間違いなくなにかメリットがあるはず。
この記事の中で解説をしている武田登行プロによると、いちばんのメリットは「インパクトでハンドレートにならないこと」だそうです。クロスハンドにすることで、手先を使うことができなくなり、手打ちを防ぎ、肩を使った打ち方になるということです。さらに入射角も穏やかになり安定するとか。バックスウィングを手先で持ち上げてしまう人や、インパクトで緩んでしまう人にはとくにオススメの打ち方だと武田プロは言っています。これは試してみるしかないですね。
打ち方のポイントですが、フィッツパトリックをお手本にするのならば、グリップはテンフィンガーです。野球のバットを握るのと同じですね(左打ちのバッターの握り方ですが)。
テークバックは手先でヒョイッと上げるのではなく、肩を回して上げていきます。切り返しからインパクトも手先を使わず、体の回転で。そうすることで自然と緩やかな入射角になります。フォローも手首を折らないようにして、ヘッドは飛球線方向に出すようにします。クロスハンドにすることで手首は折れにくくなるので、手で打つ感覚を捨て、肩の回転でストロークする意識をすれば上手く打てると思います。
実際に打ちましたが、意外と違和感が少なかったです。僕はクロスハンドでのパッティングがどうしても上手く打てないのですが、このクロスハンドアプローチのほうがパッティングよりも違和感なくできました。なんでだろう?
少しでも手を使って打つような動きが出るとミスしやすいです。とくにインパクトでボールを上げようとする動きが出ると間違いなくミスします。肩でストロークできると、クラブヘッドが低いところからボールにコンタクトして、けっこうスピンの効いた低めの球が打てます。大きなスウィングアークの中でボールを捉えているという感覚です。打点もかなり安定していました。バウンスが滑ってくれるような打ち方になるので、とてもやさしく打てると思います。
ただ、この打ち方だと基本的にはピッチエンドランしかできないような気がします。ふわっと上げるようなアプローチはなかなか難しいかもしれません。フィッツパトリックならできるのかな?
今回は人工芝とアプローチ練習場の天然芝の上から打ってみましたが、かなり使える打ち方だと思いました。ただ、ラウンドのプレッシャーのかかった中でクロスハンドで上手く打てるのか?というと、もう少し練習してからでないと少し怖いですね。
しかし練習にこのクロスハンドアプローチを取り入れるのはとてもいいんじゃないかと思いました。手先を使わず肩の回転で打つ感覚や、緩やかな入射角でボールを捉えるということが体感できるので、その感覚のまま、いつものようにグリップしてアプローチをすると、とてもいいストロークができます。ラウンドでは実際にやらないにしても、練習に取り入れれば、確実にアプローチの精度が上がると思いました。アプローチが苦手な人はぜひ一度試してみてください!