クラブフィッターの小倉です。今回は、シャフトを交換する際の注意点についてお話したいと思います。昨今のクラブ、とくにドライバーは弾道調整機能、いわゆる「カチャカチャ」を搭載したモデルが一般的になり、自身で簡単にシャフトを交換できるようになりました。
ヘッドを変えずに異なるシャフトを気軽に試すことができるようになったのは、ゴルファーにとって非常に大きなメリットです。ヘッド、シャフト両方が違うクラブを比較試打しても、弾道の違いがシャフトによるものなのか、ヘッドによるものなのかを判断するのは、非常に難しいです。
同じヘッドでシャフトを比較することによって、シャフトの違いを自身で感じやすくなり、自分に合ったシャフトを自身で判断しやすくなりました。しかし簡単にシャフトをとっかえひっかえできてしまうからこそ気を付けておきたい点がいくつかあります。
まず新たなシャフトを手に入れても、しばらくはもと使っていたシャフトは手元に置いておいてください。新しいシャフトがどんなに調子よくてもです。新しいシャフトの調子が悪くなった時に、戻れるシャフトがないとシャフトのせいなのか、それとも自身のスウィングのせいなのかを判断できなくなってしまいます。
多くのゴルファーは、だいたい自身のスウィングのせいにしてしまいますが、ひとつの基準を残しておくことによって、原因を究明しやすくすることができます。
またドライバーのシャフトを替えると、バッグの中のほかのクラブにも影響を与えます。ドライバー単体で比較して、新しいシャフトのほうが結果はよくても、ほかのクラブとのマッチングが悪くなり、FWやアイアンの調子が悪くなるケースもあるのです。簡単にスタート地点に戻れるメリットを最大限に生かすためにももと使っていたシャフトは、最低10ラウンドぐらいは手元に残しておきましょう。
次に、一度シャフトを決めたら、最低2~3ラウンドはどんなに調子が悪くても使い続けることをオススメめします。すぐもとに戻せる準備をしておけという前述した話と矛盾するかもしれませんが、それこそシャフトを頻繁に変えてしまっては、スウィングの再現性が下がってしまい、どちらのシャフトを打っても上手くいかない、なんていうドツボにハマります。原因を明確にするためにも一度替えたら一定の期間は、使い続けてください。もとのシャフトに戻す時は、しばらく使ってどうしてもだめだった時です。
もうひとつ、シャフトを試しているタイミングで弾道調整機能の本来の部分、フェース角やロフト角を同時に変更するのもあまりおすすめしないです。旧シャフトと同じ条件で、新しいシャフトを試し、弾道がどう変わったかを見極めてから変更するようにしましょう。極力シャフト以外の変更点を減らして比較することが、シャフトの性能を体感しやすくなり、合う合わないを見極めやすくします。
カチャカチャは便利な機能ですが、使い方を誤るとゴルフの調子を大きく崩すきっかけにもなってしまうもの。薬にするか毒にするかはあなた次第ですよ~