「ニッポンハムレディスクラシック」で今季2勝目(通算6勝目)を飾った西村優菜。正確で崩れないショットメーカーのスウィングをプロゴルファー・中村修が解説。

3週前の「ニチレイレディス」で今季初優勝した際には、ショットよりもアプローチとパットが冴えて3日間ノーボギーのゴルフでしたが、今大会では56回中51回フェアフェイキープし1位タイ、パーオン率6位タイ、パット数5位タイとオールラウンドに好調だったことを示しています。今回はその中でもアイアンショットを見てみましょう。

アドレスでは、後頭部から腰までのラインが真っすぐで、腰が反ったり背中が張ったりもしていない自然体の姿勢ができています(画像A左)。手元がアウトでもインサイドでもなく胸の前にキープされたままテークバックの始動がおこなわれていて腕と体が同調しています(右)。

画像: (画像A )自然体のアドレスから腕とクラブが同調したテークバック(写真/岡沢裕行)

(画像A )自然体のアドレスから腕とクラブが同調したテークバック(写真/岡沢裕行)

インパクトのシャフトのラインに赤線を引いてみると、切り返しからダウンスウィングにかけて早い段階でクラブがこの線の上に重なってきます(画像B左)。一枚の面に沿ってクラブが動いているので効率がよく、持ち球であるドローのわずかなインサイドアウト軌道になっているのもわかりますね(画像B右)。

画像: (画像B )インパクトのシャフトの角度に線を引くと、ダウンスウィングの早い段階で重なり一枚の面の上を滑るように動く(写真/岡沢裕行)

(画像B )インパクトのシャフトの角度に線を引くと、ダウンスウィングの早い段階で重なり一枚の面の上を滑るように動く(写真/岡沢裕行)

体の動きを見ると、下半身から体幹、腕、クラブへと動き出す順序が整っていて、頭の位置が変わらないことで軸がキープされた回転でクラブという道具を効率よく使ってボールを打つ動作のお手本のようなスウィングですね。

西村選手は「GC4」というカメラ式の弾道計測器を持ち歩き、ボールの前に置いて練習しています。2週前の「アース・モンダミンカップ」でどんな数値をチェックしているのか聞いてみると、「キャリーとスピン量をチェックしています」と答えてくれました。「GC4」は「トラックマン」などのレーダー式の計測器とは違いインパクト前後のクラブとボールの動きを高速カメラで分析します。

画像: 弾道計測器「GC4」を使って練習する西村優奈(写真はアースモンダミンカップ)

弾道計測器「GC4」を使って練習する西村優奈(写真はアースモンダミンカップ)

入射角やボール初速、スピン量、打ち出し角などの正確なインパクト解析を得意とする計測器なので、その日の調子を可視化することができます。自分の調子のバロメーターとして計測しておくことで調子の波を知ることもできますし、ゲームプランやマネジメントを考えら上でも手助けになっていることでしょう。

海外メジャーのエビアン選手権、AIG全英女子オープン出場に向けて旅立ちますが、どんな結果になったとしても全米女子オープンに続いて多くを吸収して帰国するに違いありません。どんなプレーを見せてくれるのか今から楽しみですね。

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