スコッティ・シャフラー、ジャスティン・トーマス、コリン・モリカワ、松山英樹ら優勝候補だった世界ランク上位陣が予選落ちに終わる中、シャウフェレが躍動した。
3日目は一時後続に3打差をつけ首位を快走。上がり2ホール連続ボギーでリードは1打に縮まり最終日も前半3つのボギーを叩いて逆転された。しかしサンデーバック9で目の覚めるようなショットを連発し14番と16番でバーディを奪い2打リードで迎えた18番はご愛嬌のボギー。しかし終始落ち着いた忍耐強いプレーで栄冠を手繰り寄せ得た。
「素晴らしい気分です。世界のどこよりもゴルフを知っているギャラリーの声援に背中を押されました。今日は苦しい1日だったけれど終盤ゴルフを立て直すことができた。だから達成感があるし僕にとっては特別な意味のある優勝です」
シャウフェレは大会前、タイガー・ウッズも出場したJPマクマヌスプロアマ(2日間競技)でも勝っており、ここ半月でトラベラーズ、プロアマ、スコティッシュオープンと3連勝中。リーダーボードの最上段がポールポジションになりつつある。
3日目を終えてトップに立ちながら逆転負けしていた頃は「気持ちが先走って自分が見えなくなっていた。優勝を逃したホテルに戻って、いったい自分は今日何をしたんだろう? と思っていた」と振り返る。
その反省から後先のことは考えず今、この瞬間だけに集中することで、トラベラーズ選手権で逃げ切りVを初体験。最終日に何をすべきかを学び勝利を引き寄せる術を体得。勝ち癖がをつけてきた。
思えばトラベラーズでもルーキーのサヒース・ティガーラの追撃に遭い終盤まで相手にリードを許していた。しかし焦らず自分のプレーを貫いたことで相手が自滅。最終ホール、バーディ、ボギーで決着をつけた。
次なるミッションはメジャー獲りだ。これまでメジャー出場22回でトップ10入りは9回を数える。18年の全英オープンではフランセスコ・モリナリに次いで2位、タイガーが復活優勝した19年のマスターズでも2位に入っており、あと一歩でタイトルに手が届く位置にいる。
「リンクスのゴルフに馴染んできた」というシャウフェレのセントアンドリュース(全英オープン)での戦いに注目だ。