7月も半ばが過ぎ、さらに暑さが本格化していく夏の季節。ゴルフにおいても夏のラウンドではベストシーズンとはマネジメントで気を付ける部分も変わってくると兼濱は言う。
「ゴルフは屋外のスポーツですから、夏場は気温の高さによって体力の消耗もそのぶん激しくなります。まず大前提として、体調的に万全でないと熱中症などのリスクもありますから、前日はしっかり睡眠をとって臨み、ラウンド中はこまめな水分補給を心がけましょう」(兼濱、以下同)
そのうえで必要に応じ夏場の暑さや直射日光対策のグッズも用意しておくと、なおいいという。
「氷のうなどの体を冷やすグッズはもちろん、紫外線を浴び続けることも疲労を加速させます。苦手な方は、コースのドレスコードにもよりますが、薄手の長袖インナーやアームカバーなどを着ましょう。サングラスも、プレー中に違和感がなければあるといいですね。移動中にかけてショットの際は外して打つ、というもアリだと思います」
これらの気候対策を十分に講じたうえで、プレー面で注意したいのが「芝の長さ」だ。
「夏場は、コースにもよりますが芝の抵抗が増える傾向にあります。芝が育ち伸びますし、秋口にカットして均しベストな状態を作るために、いい意味で育てる時期でもあるからです」
芝が育っているため、マネジメント的に避けたいのが「見えないところに打つこと」だと兼濱は続ける。
「キャディ付きでプレーしていたりコースを熟知していない限りは、たとえ飛距離に自信があったとしても、なるべく落ちどころが見える範囲でマネジメントすることが大切です。球の落ちどころが見えないところに打つと、ラフだけでもロストボールの危険があります。暑いなかボールを探す作業だけでも消耗しますし、見つからなかったらそれだけで2打損してしまいます。いいショットを打って2打損するのはメンタルにもダメージがありますし、とくに近年はセルフプレーも主流ですからプレーの進行も遅くなり、総じて全体の流れが悪くなってしまいます。とくにドッグレッグでのティーショットなどは気を付けてください」
実際にラフに入ってしまった場合の番手選びも「しっかり芝の抵抗感を確認して決めましょう」という。
「まず素振りでどれくらい芝がスウィングを邪魔するのかを確認しましょう。うまく振り抜けなさそうなら、普段より短い番手を選ぶのがおすすめです。ロフトが寝ているぶん抵抗が減り、振り抜きやすいはずです」
また、ラフだけでなくグリーンも芝が育ち「重くなる傾向にあります」と兼濱。
「重たいぶん止まりやすいとも言えますが、グリーン周りのラフも長くなっているので、普段以上にピンサイドに外すと次打のアプローチが難しくなってしまいます。自分の持ち球や球のクセを考慮してセンター狙い、あるいはピンの逆側を狙っていくのがいいでしょう。朝の練習グリーンの段階でパットのタッチの強弱をしっかり調整しておくことも忘れないでくださいね」
協力/広尾ゴルフインパクト