オールドコースに温かい陽射しが降り注ぎ3位タイからスタートしたマキロイとホブランにスポットライトを当てた。
ホブランが3番から4連続バーディを奪いノーボギーの6アンダー66をマークすれば、マキロイはホテル越えの難関17番でボギーを打ったが同じく6アンダー66。通算16アンダーまで伸ばし最終日は2人による“ザ・マッチ”あるいは“セントアンドリュースの決闘”が繰り広げられることになる。
しかしSNSでは「マキロイはすでにクラレットジャグ(トロフィー)に名を刻んだ」と大騒ぎ。
その理由は10番パー4でマキロイがポットバンカーから直接ボールをカップに沈めイーグルを奪った劇的なシーン。それが勝者の1打と見なされたから。
PGAツアーインサイダーのライター、ダン・ラパポートは「ローリーのバンカーからのチップインイーグルでプレスルームは喝采に包まれている。この島(イギリス)全体が一丸となってこの男の優勝を願っている。神の采配? 彼の週なのか?」とツイート。
「ローリーが来たーーーぁ」
「尊敬しかない。ローリーを応援しない人は消えてくれ」
「あのバンカーショット。クラブのバウンスが砂を打つあの音はめちゃくちゃセクシーだった!」
「土曜日なのにもうこんなドラマがあっていいの?」
などなどゴルフフリークたちのツイッターコミュニティはさながらローリー祭り。もちろんまだ長く厳しい18ホールが待っている。しかし14年以来8年ぶりのメジャー獲りはここしかないとSNSの住人は確信しているようだ。
タイガーがセントアンドリュースの全英オープンは「最後になる」といい予選落ちに終わった今大会。前日タイガーが18番のスウィルカン橋を渡ったとき隣のホール(1番)をプレー中だったマキロイが敬意を評しキャプのつばに手を当て、少し持ち上げる仕草を見せた。
すれ違い様にその姿を目にしたタイガーは涙腺を刺激され四半世紀のキャリアではじめてコースで涙を流した。タイガーが最後と決めた聖地での全英オープンで10代の頃からタイガーの後継者と呼ばれたマキロイがトロフィーを掲げる。これ以上のドラマはない。
「ゴルファーの履歴書はセントアンドリュースの全英オープンで優勝しなければ完成しない」と聖球ボビー・ジョーンズはいった。今こそマキロイが履歴書を完成させるときだ。