往年のライバル対決がシニアの舞台で再現された。45歳以上の女子プロが集結した全米女子プロシニア選手権でカリー・ウェブがアニカ・ソレンスタムを抑え大会初優勝。炎天下にも関わらず大勢のギャラリーが詰めかけライバル対決に喝采を贈った。

ウェブ2打リードで迎えた最終日。まず魅せたのはアニカ。スタートの1番パー5でいきなりイーグルを奪ってウェブに並びかけ長年のライバルが前半を終えて通算12アンダーで足並みを揃えるマッチレースの様相を呈した。

画像: カリー・ウェブ(右)とアニカ・ソレンスタム(左)。往年のライバルがシニアの舞台で激突した(写真は2016年)

カリー・ウェブ(右)とアニカ・ソレンスタム(左)。往年のライバルがシニアの舞台で激突した(写真は2016年)

しかし後半ブレーキがかかったアニカに対してウェブは攻め続け14番ではイーグル返しをお見舞い。バック9で2つスコアを落としたアニカに4打差をつけウェブが大会初出場初制覇を達成した。

「勝つために必死でパットを決めなくてはいけない状況は本当に久しぶりでした」と激闘の後、破顔一笑のウェブ。「口の中はカラカラに乾くし短い距離(のパット)まで長く感じました(笑)」。

1番でアニカにイーグルを決められた瞬間ウェブの闘志に火がついた。「あれでやる気が出ました。最高のゴルフをしなきゃいけない。全力でプレーしようって思えた」

14番のイーグルで楽勝モードに入ったかと思われたが「アドレナリンのコントロールができなくて最後は手探りの状態。でも振り返ると悪くないプレーができたと思います」。

いっぽうアニカは「序盤のように(ウェブに)プレッシャーをかけ続けられれば良かったのですが……。でも楽しかった。最後はガス欠でしたね」と敗戦を振り返った。

2人が口を揃えたのがギャラリーの温かい声援。「たくさんの方々が応援に駆けつけてくれて素晴らしかった」とウェブがいえば「ファンの方々の声援が最高の雰囲気を作ってくれました」とアニカ。その結果「後半は置いていかれましたけれどほぼ一日1対1のマッチレースができた」(アニカ)と充実感を滲ませた。

現役時代はウェブが勝てばアニカは2位、アニカが勝てばウェブは2位といわれたライバル同士。アニカは通算72勝、メジャー10勝。いっぽうウェブは通算41勝のうちメジャー7勝と大舞台(メジャー)に強かった。生涯獲得賞金も不動の1位&2位の座をキープしている。

08年に現役引退したアニカは最近積極的にレギュラーツアーに復帰。先のペアマッチ、ダウ・グレート・レイク・ベイズではスウェーデンの若手とタッグを組み大会初日にリーダーボードの最上段を飾るなど飽くなき挑戦を続けている。

そんなアニカの原動力は2人の子供。「私にとって家族がすべて。彼らが応援してくれるからこうして競技に出ることができる。私のジャーニー(ゴルフキャリアの旅)を彼らにも共有してもらいたい」と語っている。

ウェブは19年以降ツアーに出場していないが今後はシニアの世界でその名を再び轟かせることになりそうだ。

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