優勝した菊地絵理香と3位の小祝さくらが地元北海道で躍進し大会を盛り上げました。とくに最終組でプレーした3名は初日と2日目に菊地選手が、小祝選手と三ヶ島かな選手は3日目にパー4の2打目をカップに放り込むイーグルを奪いスコアを伸ばす展開になっていました。
菊地選手は緊張感やプレッシャーのかかる中で粘り強くプレーし、約1年前の「アース・モンダミンカップ」同様、逃げ切り優勝を果たしました。昨年、現地取材した「アース・モンダミンカップ」でも今大会と同じように4日間トータル20アンダーでボギーの数はわずかに2つで優勝し、今大会でも4日間でボギーは3つという安定したプレーでした。
その内訳を見ると昨年のアースモンダミンでは4日間で17回、今大会では12回グリーンを外しているにもかかわらず、2つや3つのボギーで切り抜けたアプローチとパットの高い技術がありました。昨年のアースモンダミンではテーラーメイドのトラスのブレードタイプ、今大会ではオデッセイ2ボールイレブンのマレットと最近はいろいろなパターを使用していますね。
もちろん20アンダーまで伸ばすためにはショットも好調だったに違いありませんが、ミスショットのあとに簡単にボギーを打たないことで良い流れを切らさなかことが菊地選手の勝ちパターンといえるでしょう。ではスウィングを見てみましょう。
アドレスで手元は体の中心に構え、左手の甲が見えるストロンググリップで握ります。そのため、正面から見てインパクトでも左手の甲が見えていますが、フェースはスクェアに戻ってきています。ティーアップされたドライバーの場合、手元を体の中心に構えることで最下点を過ぎややアッパー軌道でとらえやすくなります(画像A)。
続いてトップからの切り返しを見てみると、下半身の動きはまだ上半身や顔は右を向いたまま手を下ろしてきています。振り遅れや切り返しから上半身が打ちにいってしまう人は、菊地選手のようにトップから一気に腰を切ろうとせずに、胸や顔が右を向いたまま手元から動かすくらいの感覚で振ると適度にインサイドからクラブが下りてきます(画像B)。
画像Cでは、手元が下りて来てから腰がしっかりと回転することで、振り遅れずにクラブが体の正面に保たれていることがわかります。
高いアプローチとパットの技術を生かし2日目には大会コースレコード63を記録しました。スコアの伸ばし合いの展開でもリードを奪い、勝ち切るメンタルも備える菊地選手。まだまだ勝利数を伸ばすことでしょう。