アウトサイドインのカット軌道になると、スライス以外にも引っ掛け、球が低い、チョロ……というようにさまざまなミスの原因になっている。直したいと思っても、なかなか改善できずにいるゴルファーが多いが、いったいどうすればいいのだろうか?
「アマチュアゴルファーの多くはアウトサイドインのカット軌道に悩まれていますが、そのほとんどの方がいいトップポジションをとることができていません。理由は【1】体が回っていない【2】腕を上げ過ぎている、この2点によってアウトサイドインになり、後方から腕の形を見ると『おにぎり型』になっているケースが多い。これでは、スウィングの軌道はアウトサイドインにしかならないため、なかなか改善することは難しいはずです」
その反対に、インサイドにクラブを下すためには【1】しっかりと体が回り【2】腕を上げないことの2点がポイントとなる。そうすると、手の位置は頭から遠くなり、後方から見たときに腕の形が『サンドイッチ型』になっているとのことだ。まさに我々アマチュアゴルファーの憧れのトップポジションだが、なかには「意図的に『おにぎり型』を習得しようと練習しているゴルファーもいる」と石井はいう。
「手と頭が近い高いトップは落下速度を利用し、ヘッドスピードを上げる効果もあるため、プロゴルファーのなかでも取り入れている選手はいます。ただ、プロたちは体をしっかり回したうえでの高いトップですから、飛んで曲がらない球が打てるわけなんです。このようなトップポジションを参考にするアマチュアゴルファーの方は多いですが、習得するには時間がかかってしまう。なので、あまりオススメはできません」
「飛距離を伸ばしたい」と考えるゴルファーは多いが、プロのスウィングを見よう見まねするよりも、基本を大事に練習したほうが、結果が出るのも速いはずだ。とはいえ、トップを「サンドイッチ型」にしようと意識してもなかなできないもの。効果的な練習はあるのだろうか?
「一人で練習するときにもっとも簡単で効果的なドリルは、ボールの延長線上にペットボトルやボールなど障害物を置いて素振りすることです。素振りというと、地味な練習に聞こえるかもしれませんが、球を打つと当てる意識が強くなり、スウィングの改善につながりにくいです。ですから、テークバックからダウンスウィングで、障害物に当たらないように素振りを繰り返してみましょう」
まずはハーフスウィングくらいの振り幅から始めて、徐々に大きくしていくことがポイントのよう。スウィングの軌道を制限することにより「自然と『おにぎり型』から『サンドイッチ型』のトップポジションになってくるはず」とのことだ。もちろん即効性のドリルではないが、続けることで効果を実感できるだろう。継続は力なり!ぜひ試してみよう。