「楽天スーパーレディース」で今季初優勝を史上初の4日間大会ノーボギーで飾った勝みなみ。「オープンスタンスでインサイドアウトが自分のいいアライメント」というスウィングをプロゴルファー・中村修が解説。

勝みなみ選手が昨年の9月の「日本女子オープン」以来の勝利を挙げました。日本女子オープンでも2位に6打差とハマれば無類の強さを発揮するプレーを今大会では初日からまざまざと見せてくれました。

4日間のトータルのスタッツには、平均飛距離は260.250ヤードで全体の2位、フェアフェイキープ率11位タイ、パーオン率1位タイと飛んで曲がらず、アイアンショットの切れも抜群だったことが表れています。9打差を持ってスタートした最終日はノーボギーの記録や4日間の最多アンダー記録などが頭をよぎったこともあり、3日目までの攻めるゴルフのようにはいきませんでしたが、史上初の4日間大会ノーボギーでの優勝となりました。ではスウィングを見てみましょう。

3日目のラウンド後の会見で述べた「オープンスタンスでインサイドアウトが自分のいいアライメント」は、5月のブリヂストンレディスで撮影した写真を見ても確認できます。(画像A)

画像: オープンスタンスに構えてインサイドアウトに振っているのが飛球線後方からの写真でわかる(写真は2022年のブリヂストンレディス 撮影/大澤進二)

オープンスタンスに構えてインサイドアウトに振っているのが飛球線後方からの写真でわかる(写真は2022年のブリヂストンレディス 撮影/大澤進二)

目線、ひざ、腰、肩のラインをターゲットに平行に合わせるというアライメントの基本ではあるものの、R・マキロイやB・ワトソンなどその通りに構えないトッププレーヤーも多く存在することから、現在、コーチや指導者の間では選手が思い描いた弾道でターゲットに運びやすいアライメントを重視する流れになっています。勝みなみ選手の場合は、目線はターゲットに平行でスタンスはオープンに構えているようです

もう一つ勝選手のスウィングの特徴は、コック(手首を左手親指側に曲げ伸ばしする動き)をあまり使わない点にあります。レッスン用語にでは手首の動きを第一振り子、両肩と手元で作る三角形を第二振り子と呼びますが、第二振り子の動きが大きく第一振り子をあまり使っていません。その分、第二振り子と呼ばれる上半身の捻転を深くとっています(画像B)

画像: (画像B)コックは使わずグリップと両腕で作る三角形を崩さ崩さず、上半身の捻転が深い(写真は2022年のヤマハレディース 撮影/岡沢裕行)

(画像B)コックは使わずグリップと両腕で作る三角形を崩さ崩さず、上半身の捻転が深い(写真は2022年のヤマハレディース 撮影/岡沢裕行)

画像Cでは、トップからの切り返しでも左腕とクラブで作る角度、いわゆるタメは深くありませんが下半身と上半身で作られる捻転差が大きいことから体幹部を使って大きな飛距離を生んでいることが見て取れます。肩のラインが90度を大きく越えるトップを作ることや、切り返しで左への踏み込んで捻転差を作るといった飛ばしの要素を、猛暑の4日間でも貫けたのは積み重ねたトレーニング賜物でしょう。

画像: (画像C)タメは深くないものの体幹を使った大きなスウィングで飛距離を出している(写真は2022年のヤマハレディース 撮影/岡沢裕行)

(画像C)タメは深くないものの体幹を使った大きなスウィングで飛距離を出している(写真は2022年のヤマハレディース 撮影/岡沢裕行)

今週はAIG全英女子オープンに出場し、年末には米女子ツアーのQTに挑戦するといいます。残る国内メジャーを含めて複数回優勝も見えて来ているのではないでしょうか。

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