教え上手で評判のレッスンプロ・小澤美奈瀬がイギリスに遠征! これまで全英オープンの会場となったゴルフ場のいくつかを実際にプレーしたとのことで、ラウンドの様子を詳しく聞いてみた。今回話してもらったのは全英オープンの舞台のなかでもっとも難しいリンクスコースと名高いカーヌスティ・ゴルフリンクス!

何より難しいのは「風の読み」。しかし、このコースには強力な味方が!

こんにちは、小澤美奈瀬です。今回は、全英オープンの舞台としておなじみのカーヌスティ・ゴルフリンクスを回ってきましたので、私なりの目線でリポートしたいと思います!

画像: カーヌスティ・ゴルフリンクスのオリジナルパーカーを着て写真を撮る小澤。

カーヌスティ・ゴルフリンクスのオリジナルパーカーを着て写真を撮る小澤。

みなさんは「カーヌスティの悲劇」をご存じでしょうか? それは1999年の全英オープンで、当時ほぼ無名だったジャン・バンデベルデ選手が、最終日の17番を終えた時点で後続に3打差をつけていたにも関わらず、最終18番でトリプルボギーを叩き追いつかれプレーオフで敗退したことをいいます。私もこの「悲劇」の印象が鮮烈に残っていて、その舞台となったゴルフ場でラウンドできることに気分が高まっておりました。

全英オープンの会場の中で「もっとも難しい」といわれるこのコースですが、私がいちばん難しいと感じたのは、とにかく「風の読み」です。

画像: スタートホールとなった1番ホールでティーショットを打つ小澤。後ろに喫茶店があり、ナイスショットを打つとお客さんが歓声を上げて讃えてくれることも

スタートホールとなった1番ホールでティーショットを打つ小澤。後ろに喫茶店があり、ナイスショットを打つとお客さんが歓声を上げて讃えてくれることも

セントアンドリュース・オールドコースでラウンドした際は、1~9番まではほぼ同じ方向に進行し、ハーフでまた折り返していくような形だったので風の読みは比較的簡単だったのですが、カーヌスティの場合は時計周りにぐるぐる回りながら進行するような形で、ホールごとに風の方向がコロコロ変わります。

しかも、フェアウェイがかなり固く普段より15ヤードほど転がるうえ、全体的にフェアウェイがポットバンカーに向かって傾斜しており、ショットの難易度もかなり高いです。ど真ん中に打ったはずのティーショットがいつの間にかポットバンカーに入ってるなんてこともありました……。

ただですねえ、わたくし小澤美奈瀬、このコースは最初のホールから快調に飛ばし、前半を35とアンダーパーのペースで進めることができたんです、フフフ。

画像: “Hogan’s Alley”(ホーガンの小道)と呼ばれる6番ホールでティーショットを打つ小澤。1955年にベン・ホーガンが難易度の高い正確なショットを4日間打ち続けたことからこの名称がついた

“Hogan’s Alley”(ホーガンの小道)と呼ばれる6番ホールでティーショットを打つ小澤。1955年にベン・ホーガンが難易度の高い正確なショットを4日間打ち続けたことからこの名称がついた

何がよかったかと言いますと、いろいろと要因はあるのですが、いちばんは「キャディのレベルの高さ」です。とにかく風の読みやラインの読みが完璧なんですよ! 日本だと「右から左」とか、だいたいの方向で風を読むことが多いと思うんですけど、カーヌスティのキャディさんは「10時の方向から強めに来てるよ」みたいにかなり細かく、しかも正確に読んでくるんです。

わたしも7年半のキャディ経験があるんですけど、ここまで風を細かく正確に読めたことはなかったですね。やっぱり「ゴルフの本場」のレベルの高さを感じました。

後半はコースの難易度が前半よりも高かったこともあり、少しスコアを崩してしまいます。とくに最終18番「カーヌスティの悲劇」の舞台では、なんとわたしにも悲劇が……。

18番は距離の長いパー4で、バリーバーンと呼ばれる小川がフェアウェイ両サイドとグリーン手前を横切っている難しいホール。バンデベルデ選手はこのバリーバーンに入れてしまい、ミスショットを重ねてトリプルボギーを叩いてしまうのですが、なんと私の2打目が、このバリーバーンに入ってしまいます!

画像: 18番ホールのバリーバーンと呼ばれる小川。とてもボールが出るような高さには見えない。

18番ホールのバリーバーンと呼ばれる小川。とてもボールが出るような高さには見えない。

念のためお伝えしますが「入れたらちょっと美味しいかも」なんて、微塵も思ってないですよ!入った瞬間の感想はもちろん「なんでやねん!」です(泣)。

バンデベルデ選手は一度ここからウォーターショットを試みようとしたそうですが、わたしが見る限りではまったく出そうな高さではありませんでした。大人しく打ち直したものの、なんとバンデベルデ選手と同じくバンカーへ。このホールはダブルボギーで、最終的なスコアは78……。悔しいラウンドとなってしまいました。

ちなみにわたしがホールアウトしたのはなんと午後の8時半。日が沈まず、少し暗くはなってきていましたがラウンドには問題のない明るさで、夜の10時くらいまではラウンドできるようです。こういうゴルフしやすい環境が整っているということも、ゴルフの本場ならではだなあと感動でした。

画像: ラウンドを終えた直後の小澤。20時半とは思えないほどの明るさ

ラウンドを終えた直後の小澤。20時半とは思えないほどの明るさ

最後に、もしみなさんにわたしからひとつアドバイスができるとしたら、「キャディなし」は絶対ムリ!ということです(笑)。

次回もイギリスでのラウンドリポートをみなさんにお届けします!お楽しみに。

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