「いつぶり? みたいな。こんなにパター入るの久しぶりだったんでちょっと怖かったです」と開口一番インタビューに答えた渋野。完璧な当たりで3連続バーディを奪いこの日のラウンドをスタートさせると「自分じゃないみたい」と喜びよりも戸惑いの方が大きかった。だから4番で3パットのボギーを打ったときなんだからホッとしたという。「バーディの後のボギーってよくやるよね」と思ったら逆に落ち着いた。
3年前日本女子42年ぶりのメジャーチャンピオンに輝きスマイリングシンデレラと呼ばれただけにイギリスでは力が出る? と尋ねられ「そうですね。ゴルフの聖地ですから」と破顔一笑。「イギリスがゴルフを始めてくれたからこそ私が今(ゴルフを)できているので。そんなことを考えながらやってるわけじゃないですけど新鮮な気持ちで回れました」とシブコ節も飛び出した。
歴代クイーンの快進撃に海外メディアには「ヒナコ・シブノ栄光再び!」「シブノ、メジャーで強さを発揮」などの見出しが躍る。
先週のスコットランド女子オープンでは渋野と同じ米ツアールーキーの古江彩佳が最終日10アンダーの猛攻で大逆転優勝を飾っている。となれば渋野も負けていられない。メジャーチャンピオンの誇りに懸け残り3日も好調の波に乗っていきたい。
ところで渋野に1打差の単独2位につけたのがコルダ姉妹の姉ジェシカ。ツアー6勝を挙げている第一人者だが、じつは彼女コース外でトラブルに見舞われていた。
現在ジェシカのスーツケースの所在地はドイツのチューリッヒ空港。航空会社の手違いで試合が始まってなお着用する予定だったウェア類すべてが詰まったスーツケースが手元にないのだ。
「ズボンは毎日人から借りたものを履いています。月曜日はメーガン・カンのパンツ、火曜日は妹(ネリー)に借りて、水曜日はアリソン・リーのパンツ。今日はフットジョイのパンツを履いてプレーしました」(ジェシカ)
ちなみにメーガン・カンはジェシカより30センチ近く身長が低い。「でも彼女はいつもズボンの裾をロールアップして着ているんです。だから伸ばせば私にぴったり」
ジェシカは水曜日の時点で「荷物が届くのを諦めた」と語りフットジョイなどの契約先に助けを求め会場にウェアを届けてもらったそうで、帽子は会場のミュアフィールドのゴルフショップで用立てているのだとか。
逆境にめげず好スタートを切ったジェシカに対しスコットランドに無事スーツケースが届いているアドバンテージを活かした唯一のプレーヤーは渋野だった、とゴルフチャンネルは報じている。今後の展開に注目だ。