第89回「日本プロゴルフ選手権大会」で今季初優勝(通算3勝目)を飾った堀川未来夢。19年の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」に続くメジャー2勝目を挙げたスウィングをプロゴルファー・中村修が解説。

会場となったグランフィールズCCは距離は長くはないものの、フェアフェイは絞られ外すと深いラフという、メジャートーナメントのセッティングに、3Wや5Wのライン出しショットでフェアフェイをキープし、正確なアイアンでピンを攻めた堀川未来夢選手。パッティングの不調からも脱却したことで66・69・64と3日間スコアを伸ばし続け、最終日も危なげないプレーでメジャー2勝目を飾りました。

堀川選手はドライバーとアイアンではスウィングのイメージが大きく異なるといいます。ドライバーでは画像Aの左のように手のひらを返すように使い、アイアンでは右のように手首を縦方向に曲げ伸ばしするように使うと以前の取材で教えてくれました。

画像: 画像A ドライバーの手の使い方(左)とアイアンショットでの手の使い方(右)(写真/姉崎正)

画像A ドライバーの手の使い方(左)とアイアンショットでの手の使い方(右)(写真/姉崎正)

そのため、ドライバーではハンドアップに構えドローを打ち、アイアンではハンドダウンに構えフェードで攻めるという特徴をもっています。今大会、ティーショットで3Wや5Wを使って低くライン出しをするときは、アイアンのときのように縦に手首を使い狭いフェアフェイをピンポイントで狙っていましたね。

ここではドライバーショットを見てみましょう。

ドライバーでは手元をやや上げて構え、テークバックは大きな弧を描くようにワイドに上げていきます。手元を胸の正面にキープしながら、早い段階で背中がターゲットを向き胸郭がしっかりと動いていることが見て取れます。(画像B)

画像: 画像B 手元を上げたハンドアップで構え大きくワイドなテークバッグが特徴(写真/岡沢裕行)

画像B 手元を上げたハンドアップで構え大きくワイドなテークバッグが特徴(写真/岡沢裕行)

切り返しに注目すると、写真左のトップからグリップエンドがターゲットとは反対方向に動き体との距離も保たれています。そのことによって大きな半径でダウンスウィングすることができますが、ポイントは顔の向きにあります。

顔の向きをキープしたままダウンスウィングに入るとクラブをグリップエンド方向に引く力が加わり、手元が遠回りすることでヘッドを加速させるだけの距離を確保し安定した入射角でインパクトを迎えることができます。

画像: (画像C)切り返しでグリップエンドはクラブを引っ張るようにターゲットと反対方向に動く(写真/岡沢裕行)

(画像C)切り返しでグリップエンドはクラブを引っ張るようにターゲットと反対方向に動く(写真/岡沢裕行)

画像Cの左の写真を見ても顔の向きがキープされ、インパクト前にタメが深くなり過ぎず手元の運動量に比べてヘッドの運動量が大きくて、効率的にヘッドが振れているスウィングになっています。

画像: (画像D) 顔の向きをキープし手元の運動量に比べてヘッドの運動量が大きい効率的なスウィング(写真/岡沢裕行)

(画像D) 顔の向きをキープし手元の運動量に比べてヘッドの運動量が大きい効率的なスウィング(写真/岡沢裕行)

パッティングの不調からも握り方や長さなどを工夫して復調してきました。これからますますツアーを牽引する存在になって、賞金王や海外での参戦も視野に入れ羽ばたいていくことでしょう。

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