国内女子ツアー「北海道meijiカップ」最終日、韓国のイ・ミニョンが3年ぶりの優勝を飾るなか、1打差の2位にはベテランの横峯さくら、ルーキーの櫻井心那という対照的な2人が食い込んだ。今季のここまでの成績を考えれば、伏兵の大活躍。後半戦の台風の目となるのか注目だ。

トップ5に入った選手で今季の優勝者は上田桃子だけ。西郷真央、山下美夢有、西村優菜と今季複数回優勝を果たしている3人が海外メジャー参戦で不在ということもあり、今大会はいつもと違う顔ぶれでの優勝争いとなった。そんななか、最終日に圧巻のプレーを見せたのが横峯だった。9位からスタートすると、前半だけで5バーディの猛チャージ。8年ぶりの優勝にあと一歩まで迫った。2週前まで7試合連続予選落ちを喫していただけに、驚きの復活劇。横峯は復調の要因として左に向き過ぎていたアドレスを「スクエアよりちょっと左」に修正したことを挙げた。

画像: 8年ぶりの優勝にあと一歩の位置まで迫った横峯さくら。飛距離は衰えておらず、今後の活躍もじゅうぶん期待できる(写真は2022年北海道meijiカップ 撮影/小林司)

8年ぶりの優勝にあと一歩の位置まで迫った横峯さくら。飛距離は衰えておらず、今後の活躍もじゅうぶん期待できる(写真は2022年北海道meijiカップ 撮影/小林司)

改めて今季のスタッツを見てみると、ドライビングディスタンス19位(244.17ヤード)と若手に負けない飛距離に驚かされる。若手時代は確かに豪快なオーバースウィングからの飛ばし屋だったが、米女子ツアーに参戦した30歳のころにはかなり飛距離が落ちてきていた。さらに昨年2月には出産も経験。年齢を重ねるなかで、飛距離を取り戻しているのはトレーニングやスウィングの研究といった努力の賜物だろう。これだけの情熱があれば、復活Vも決して遠くはないだろう。

もう一人、2位に食い込んだ櫻井は昨年11月のプロテストに合格したばかりの18歳だ。下部のステップアップツアーでは1勝を挙げ、賞金ランク首位を走っているものの、レギュラーツアーはまだ2試合目。最後は決めればプレーオフという2メートルのバーディーパットを決められなかったが、初の予選通過で堂々の優勝争いを演じた。初めての最終日最終組、しかも序盤の2番でダブルボギーを叩くという状況から巻き返すメンタルの強さは印象的。試合で力を出せるプロ向きの性格なのだろう。

これにより暫定リランキングは43位に急浮上。また、直近の試合の3位以内という資格で次戦の「NEC軽井沢72トーナメント」に出場できる。再び上位争いを演じれば、2回目のリランキング後の10月以降の出場権を得ることも考えられる。ステップアップツアーで賞金ランキング2位以内に入って、来季のレギュラーツアー前半戦の出場権獲得が本来のシナリオだったはずだが、今季中にニューヒロインに名乗りを上げる可能性も出てきたというわけだ。

画像: 17番でバーディパットを決め、初優勝への粘りを見せた。初の最終日最終組を見事に戦い抜いた櫻井(写真は2022年北海道meijiカップ 撮影/小林司)

17番でバーディパットを決め、初優勝への粘りを見せた。初の最終日最終組を見事に戦い抜いた櫻井(写真は2022年北海道meijiカップ 撮影/小林司)

海外メジャーに参戦した上位組は次戦も不在。横峯、櫻井の活躍はもちろんだが、層の厚い女子ツアーだけにさらなる後半戦の主役候補の出現にも期待したい。

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