8月3日LIVゴルフ所属のプレーヤーたちがPGAツアーに対して起こしたのが独占禁止法訴訟。他リーグに出場したことでPGAツアーの出場資格を奪われたのは違法であるというのがその主旨である。
訴状には選手のツアー出場機会が奪われただけでなくテクノロジー企業から放送業界に至るまでLIVゴルフと提携した場合「ブラックリスト」に載せると脅迫されたという具体的なおよそ12の企業の社名が公表された。
またあるゴルフ場は「LIVゴルフのイベントを開催した場合、全英オープンのローテーションから外す」とR&Aから罰則を言い渡されたという証言も含まれており、これら一連の締めつけが独占禁止法違反に該当するのかが争点になる。
競合するLIVゴルフが出現により先ごろ発表されたPGAツアーの22-23シーズンの賞金額は過去最高になった。例えばタイガー・ウッズがホストを務めるジェネシス招待の賞金総額はこれまでの1200万ドルから2千万ドル(約26億円)に大幅アップ。
8つある招待試合はすべて1500万ドル(約20億円)から2500万ドル(約33億円)に増額されLIVゴルフの1イベント当たりの賞金総額に匹敵。PGAツアー残留組にとっては素晴らしいニュースだがこのバブル、まさか天井知らずなのか?
サウジアラビアの莫大なオイルマネーを背景にワールドツアー構想を打ち上げているLIVゴルフのCEOグレッグ・ノーマンは先日驚くべきことを口にしていた。
「私がCEOに就任する前LIVサイドはタイガーに7億ドルから8億ドルをオファーしていた。彼はゴルフ界の指針になる存在だから」
7億ドルは日本円でおよそ932億、8億ドルなら1千億円超え。米メディアが大谷翔平は「年俸80億円以上の選手」と報じているがゴルファーとしてのピークを過ぎた46歳に1千億のオファーをするとはLIVの財力、恐るべし!
「ゴルファーがアタッシュケースを持ったビジネスマンになってしまった」とゲーリー・プレーヤーやリー・トレビノが嘆いたのは四半世紀前のこと。
アーノルド・パーマーが全米オープンに初優勝(1960年)したときの賞金は1万4400ドル(現在のレートで約190万円)、ジャック・ニクラス(1962年)は1万7500ドル(約233万円)。この60年で優勝賞金が200万円から4億円に膨れ上がるとは誰が想像しただろうか。
お金がすべてではないと人はいう。だがお金は人生を変える。マネーゲームはいつまで続く?