「私が今回紹介する選手はキム・ジュヒョン選手。ジュヒョンが呼びにくいのかツアーでは、通称トム・キムと呼ばれています。いまもっとも勢いがあり、来シーズンの注目選手のひとりです。個人的にも凄く好感がもてる選手で、応援しています」(以下、ヨシムラ氏)
アジアンツアーや韓国ツアーで活躍し、今シーズンは『スペシャルテンポラリーメンバー』の資格でスポット参戦して、そこからツアーメンバー資格を得て、ウィンダム選手権直前の時点でプレーオフに入れるかというところまで来ていた。
「若いうちからツアーで戦い、下部ツアーで結果を残して、次々とカテゴリーを上げながらついに今年、PGAのレギュラーツアーで戦うようになっていました。若干20歳にかかわらず、プレーを見た印象では弱点という弱点が見当たらない選手。飛距離もじゅうぶんで、総合力が高いプレーヤーですね。また、この年代の選手とは思えないほどメンタルが強く、つねに冷静にプレーできているところもストロングポイントです。
ウィンダム選手権初日の1番ホールで8を叩いたにもかかわらず、そこから立て直して7バーディを奪い、パー70のコースを67でフィニッシュしました。このことからもわかるように、うまくいかなくてもイライラしたり、投げやりになったりせずにプレーできる選手です。トッププロでも1ホールで8を叩けばイライラして崩れていくものだが、彼は違いました」
若い選手にありがちな、身体能力が最大の長所という選手ではなく、メンタルまで含めた総合力がウリだという。
「明るく気さくで、心優しい青年でとてもナイスガイ!いいやつで、思わず『頑張れ!』と言ってしまいたくなるようなプレーヤーで個人的にもすごく応援しているのです」
ーーじつはこの話、ウインダム選手権初日が終わってヨシムラ氏に話を聞いたもの。この3日後、ウインダム選手権でなんと、優勝してしまったキム・ジュヒョン。さすがは自身もハンディキャップ6という腕前をもつヨシムラ氏の目に狂いはなかったようだ。