「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はショートウッドの長所と短所について教えてもらった。
画像: アイアンのストロングロフト化でミドルアイアンでさえ、ボールが上がりにくくなってきた。そこで7番や9番などの「ショートウッド」を入れるプロも増えてきているが、アマチュアにはどうなのか?

アイアンのストロングロフト化でミドルアイアンでさえ、ボールが上がりにくくなってきた。そこで7番や9番などの「ショートウッド」を入れるプロも増えてきているが、アマチュアにはどうなのか?

みんゴル取材班(以下、み):今年の女子ツアーでは9番ウッドまで入れている西村優菜が2勝で青木瀬令奈は1勝。7番ウッドを入れている堀琴音も勝ちました。また、2020年に1勝した柏原明日架も11番ウッド使いです。ショートウッドがもっと注目されてもいい気がします。

宮城:ショートウッドが増えてきた背景にはアイアンのストロングロフト化があります。いまやアイアンが7番から4本という女子プロも珍しくありませんが、要するに5番や6番アイアンが打てなくなったということです。

み:いまやアマチュアにとってもミドルアイアンは難しいクラブ。それに比べてショートウッドは簡単に球が上がって飛びそうなイメージがあります。アマチュアも真似するべきでは?

宮城:確かにショートウッドは高い球が打ちやすくグリーンで止まりますが危険物なので要注意です。

み:なんだか物騒ですね。

宮城:5番や6番アイアンならOBを打つことはまずありません。しかし、ハイロフトでアップライトで長くて、しかも重心が深いショートウッドはがっつり球がつかまるので左OBの危険があります。スチールシャフトを入れればまだましですがショートウッドをあえて選ぶアマチュアの頭にはそういう選択肢はないでしょう。カーボンシャフトはイレギュラーな動きをすることがあるのでショートウッドとの組み合わせは要注意です。

ほとんどのアマチュアには関係ないかもしれませんが、ベントやポアナ芝のラフ、全英のようなヒースだとショートウッドの大きなヘッドは入っていきません。アイアン型のユーティリティがベストですがせめてハイブリッド型を使わないと日本以外の試合では通用しません。

み:確かに海外ツアーで活躍している選手はショートウッドを使っていません。アマチュアにもユーティリティのほうがおすすめですか。

宮城:そうですね。やはり左の大きなミスが出やすいショートウッドに比べると、ライ角がフラットで重心の浅いユーティリティのほうがミスの幅は小さくなるので実戦向きです。レングスが短くてミート率も上がるのでスコアはまとまりやすいでしょう。ただし、ユーティリティはロフトが20度以上ないと難しいので7番までならショートウッドもありです。あとは、ヘッドスピードが遅くて球が上がらない人はショートウッドの助けを借りるべきでしょう。

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