ゴルフのスコアを大きく左右するのはドライバーでもアイアンでもなく15本目のギアと呼ばれるボールだというのはギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。どんな基準で自分に合ったボールを選べばいいのか、一緒に考えてみた。

クラブフィッターの小倉です。今回のお題はボール。ゴルフボールは、ディスタンス系と呼ばれるボールと、スピン系、またはツアー系と呼ばれるボールに分類されます。それぞれに属するボールの中でも性能差はありますが、大きく分けるとこのふたつのカテゴリーになります。

画像: ボールの種類を大きくわけるとプロが使うスピン系と飛距離を追求してアマチュアが好んで使うディスタンス系。どっちを使えばいいのか、とても悩ましい

ボールの種類を大きくわけるとプロが使うスピン系と飛距離を追求してアマチュアが好んで使うディスタンス系。どっちを使えばいいのか、とても悩ましい

ディスタンス系ボールの特徴は、余計なスピンを抑え、飛距離を追求した性能を持ち、高い直進性や高い打ち出し角を持ったモデルが多いです。対するスピン系ボールの特徴は、ボールをコントロールするために必要なスピン性能や打感などのフィーリング面を追求した性能となっています。

ざっくり分けておいてなんですが、ゴルフというスポーツを楽しむうえでボールの選択は、非常に重要なんです。ボールは15本目のギア(クラブ)なんて言われるぐらいで、プレーの内容を大きく左右します。ではディスタンス系、スピン系それぞれどんなゴルファーに合うのか。そんなお話をしていきたいと思います。

結論からお話しすると、スコアを追求したい、上達したいと少しでも考える方はスピン系一択です。これは性別、年齢、パワー関係ありません。ゴルフは、ターゲットスポーツであり、カップにいかに少ない数でボールを入れるかを競います。そのためにコントロール性能の高いボールが必要なのです。違いが大きく出るのが、グリーンを狙うショット。グリーンに対して、狙った位置にボールを止めるにはスピン性能が不可欠。ディスタンス系のボールは、飛距離を追求しているぶん、バックスピンが総じて少なめで狙った位置にボールを止めるのが難しくなります。

根拠のひとつにツアープロのボール事情があります。トーナメントなどで戦うツアープロは、総じてスピン系のボールを使っています。男子、女子、シニアすべてのツアーで、どのプロを見てもディスタンス系のボールを使用しているのを見たことがありません。たとえディスタンス系のボールを使用しているプロがいたとしても優勝争いに絡むことはできないでしょう。そのくらいスピン系とディスタンス系にはコントロール性能に差があります。ゴルフは飛んだほうが有利と言われますが、ボールをコントロールできる前提での話なのです。

ではどんなゴルファーがディスタンス系を使うべきなのか。それは「飛んだほうが楽しい!」と感じるゴルファーです。人より飛ばしたい! 短い番手でより遠くへ飛ばしたい! と考えるならディスタンス系はピッタリのボールです。

個人的な考え方としては、誰がどんなボールを使ってもよいと思っています。ディスタンス系のボールのほうが、価格が安いですし、選ぶ自由がありますからね。それにゴルフはスコアがすべてではありません。楽しい!が最優先です。自分が使っていて楽しい!と感じるボールをぜひ見つけてもらえればと思います。

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