国内男子ツアーが7月は試合がなかったこともあり6月の「日本ゴルフツアー選手権」以来の現地取材となりました。昨日の雨から打って変わって晴天にはなりましたが10m/s前後の風が白球を翻弄します。ここザ・ノースカントリーGCはフラットでアウトコースはリンクススタイル、インコースは12番から15番まで林間コースという顔を見せ、名物の最難関パー3の16番から吹きさらしの風を受ける上がり3ホールが待っています。
強い風が吹いたものの上位陣はスコアを伸ばし、初日は今週から契約するピンの新しいアイアンを投入した金谷拓実がホールインワンを含めて6アンダーで首位に立ち、2日目も3つ伸ばし9アンダー単独首位で終えています。
マスターズや全英オープンのメジャーで予選落ちに終わり納得のできないシーズンを送っていましたが、ギアをアップデートしたことでいいきっかけになったようです。約12フィートのスピードのあるグリーンにもしっかりと対応しパットも好調なので、週末が楽しみです。
続いて注目したのは、今大会がプロデビュー戦となった丸山奬王(ショーン)選手。大学時代はケガに泣かされ思うようにゴルフができずにいましたが、6月の卒業と同時にゴルフを再開し今大会を迎えました。そのプレーはというと、細身の体から300ヤードを越える飛距離を放ち、見ていてハラハラドキドキする、すごく面白いゴルフを見せてくれました。
後半の途中まで緊張してペースをつかめなかったという慣れない雨の初日を1アンダー終え、2日目はスコアを伸ばすも折り返しの10、11番とスコアを落とします。カットライン上のトータルイーブンパーで迎えた18番パー5では、ドライバーで300ヤード先のフェアフェイをとらえ5Wで池越えのグリーンを狙いピン横のグリーンエッジまで運びます。惜しくもバーディはなりませんでしたがパーでホールアウトとなりました。
本来は防御反応が働いてケガを負わない程度でしか振れないものですが、体が耐えられないほど振れるというのは潜在能力の高さを感じさせます。結果はカットラインに1打届かず予選落ちと、ほろ苦いデビュー戦になってしまいましたが、年齢とともに体力も向上し経験も積んだら、いったいどんな選手に育つのか、非常に楽しみです。慣れないラウンド後の囲み会見でも丁寧な受け答えで自分の言葉で話す姿に無限の可能性を感じさせてくれました。
そして丸山奬王選手と10年来の仲良しという大西魁斗選手。初日1アンダー、2日目は5アンダーでプレーしトータル6アンダーの5位タイで終えています。1年前の今大会でデビューしAbemaTVツアーからレギュラーツアーへと昇格し今季は6度のトップ10入りで賞金ランク9位の成績。目指すは初優勝というところで今大会も良い位置で週末に臨みます。
強風の中でも距離感と方向性の安定したアイアンショットでチャンスを量産していましたし、高速グリーンにも独特のアームロック式のパッティングでタッチもばっちりでした。慣れ親しんだ洋芝と海外のコースのようなロケーションに楽しみな週末を迎えそうです。
ほかにも上位陣にはトップと1打差に岩田寛、2打差に竹谷佳孝、佐藤大平、3打差には小西貴紀、久常涼、大槻智春ら7名が並び、4打差には池田勇太、石川遼、岩崎亜久竜、阿久津未来也ら9名と、実力者、若手がひしめいています。まだ残り2日ありますので他にも下剋上を狙って上がってくる選手も表れるはず。北の大地で最後に笑顔を見せてくれるのは誰になるか楽しみです。