最終日の朝から現地で見てきました。朝の練習場では、2打差の若林舞衣子、3打差の勝みなみ、4打差の原英莉花、5打差の稲見萌寧、葭葉ルミらが快音を響かせ調子のよさを伺わせていました。
コーチやキャディに話を聞くと、グリーンが速く難しいと口を揃えます。13フィートの発表も下り傾斜になると14フィート以上にもなる高速グリーンでした。そしてピン位置もやさしくはないポジションだったので、伸ばし合いというよりは、ボギーを叩かずチャンスを待つ展開になるという予想通りの展開になりました。
岩井千怜選手が3番でバーディの後パーを並べる間に4組前で4アンダースタートだった山下美夢有が8アンダーのコースレコードでまくります。途中12番からの3連続バーディを見た際に山下ファンのギャラリーに話しを聞くと、「前半にもチャンスがあったからあれが入ってたら10アンダーくらい出てたかも」とショット、パット共にキレキレで爆発力のあるプレーを見せてくれました。
岩井千怜はというと、17番パー3で少しゆったりしたリズムを心掛けたという6番アイアンのショットで4メートルにつけ、見事にそれを決め12アンダーで先にホールアウトした山下に1打のリードで最終ホールに向かいます。優勝を決める1.5メートルの難しいパーパットを決め2週連続優勝を手にしました。
今大会をサポートした扇真之助プロキャディに話しを聞くと17番では「ここで決めます」と宣言したといいます。
「気持ちが強くてブレない。ショットもそうですがパットが本当に上手い選手です。最終ホールはビンの右を狙わなければならなかったのですが、あれは僕のせいです。でも最後入ってよかったです」(扇真之助キャディ)
先週の初優勝を支えた佐藤大輔キャディは「グリーンが止まるのでピンまでの距離しか聞かれなかった。最後までピンを狙って攻める姿勢を貫いていました」と話し、今大会の扇真之助キャディもガラリと違う展開であったにも関わらず同じ印象をもっていることからも、岩井千怜選手の強さは学びの速さと決めたことを貫く気持ちの強さにあると言えます。
もう一つ、この2勝は違うキャディで勝ちましたが、西郷真央選手も今季の5勝はすべて違うキャディでした。プロキャディの仕事は、励ましたり盛り上げたりということもありますがもっとも重要なのは、いち早く残りの距離や風、ピンに対してバーディチャンスになるエリアやセーフティエリアをジャッジして選手に伝えること。彼女たちは、それさえ把握すればあとは躊躇なく振り切る強さをもっているのです。
次週は4日間大会で難コース小樽カントリークラブで開催される「ニトリレディス」。前人未到の初優勝から3週連続優勝なるか、それともまた新しいヒロインが誕生するのか、楽しみはつきませんね。