ドライバーのフェースの上部、フェースとクラウンの境目に当たった、いわゆるテンプラマークがついてしまったヘッドを見たことがあるはず。この位置に当たるとボールは高く上がって距離は出ないテンプラになってしまう。
そこでプロゴルファーでTPIレベル3・タイトリストフィッティングスペシャリスト・トラックマンマスターという3つの肩書きをもつ“三刀流プロ”・小島慶太プロにトラックマンを使って試打し、データを解読してもらおう。
「テンプラになる原因はいくつかありますが、ここでは入射角がダウンブローで入ってテンプラになるケースを見てみましょう。ティーアップされたボールを打つドライバーの場合、軌道の中でヘッドが一番低くなるローポイントがボールよりも手前にあるとアッパー軌道で振れることになりますが、データを見ると8.7Aとボールよりも8.7センチアフター(先)になっていて、入射角も3.6度ダウンブローになっています。それとスウィング全体の向きを示すスウィングダイレクションが12.9度左に向いているためクラブ軌道も8.8度左に向いています。フェースの向きも5.4度左に向いていることから高く上がって左に飛ぶテンプラになってしまいました」(小島慶太プロ、以下同)
クラブ軌道はアウトサイドインでボールよりも先に最下点(ローポイント)を迎えるダウンブロー。そのことによってフェースの上部に当たりテンプラになる原因だ。仮にフェースの上部に当たらずにセンター付近で当たると低く左に曲がるボールになる。では、スウィングはどんなエラーが起きているのだろうか。
「一番大きなエラーは左へ突っ込みながらダウンスウィングしてしまうことです。そのことによってローポイントがボールの先になる原因になります」
改善するにはまず、グリップを強く握らないことだと小島プロ。
「グリップを強く握っている人や切り返しで力んでしまう人は、左へ突っ込みやすい傾向にあります。もう一つは、トップで頭を固定し過ぎてしまうこと。左へ突っ込むクセやカット軌道が強い人はテークバックで頭を少し右に寄せることを許容していいと思います。その代わりにボールの右側面を見ながら、その目線をキープしてダウンに入るようにしましょう」
グリップの力を抜いて、頭はボールよりも右に置く「ビハインド・ザ・ボール」を意識することで極端なカット軌道やローポイントがボールの先に来るような急激なダウンブローを改善できるはずだ。さっそく試してみよう!
撮影協力/ゴルフアップ