「スピーダーエボリューション」からリニューアルした前作の「スピーダーNX」(ブルー)は、シャフトのねじれ剛性を手元側と中間部、先端部で差をつけることによって、適度なつかまり感があって高弾道がラクに打てると女子プロの使用率が非常に高かったモデル。当時発売されていたテーラーメイドの「SIM2」のブルーを基調としたカラーと「NX」のブルーのコスメがマッチし過ぎて、他メーカーから嫌味を言われたとか……。それは冗談としても今作ではグリーンのコスメをまとってデビューしました。
7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」から女子ツアーでテストが始まると、球が強くなって初速も上がるとスイッチする選手が続出し、先週の「CATレディス」では「NX」13名に対し
「NXグリーン」は15名が使用したそうです。ちなみに吉田優利選手は50グラム台のSフレックス、西村優菜選手は同じく50グラム台のSRを投入しています。
「NX」は手元のねじり剛性(トルク)を締めて中間をゆるめてトルクの差を大きくするとヘッドスピードを上げやすいという検証結果から生まれたモデルなのですが、新作のグリーンは前作よりも手元のトルクを締め先端の剛性を高めたことで、球が上がり過ぎずスピン量もおさえられたことで強い弾道になったというのです。その効果もあって「ベンタス」のシリーズが主流の男子ツアーでも「NXグリーン」を投入する選手も現れています。
テーラーメイド ステルスの9度を使って実際に打ってみると、フィーリングはしなりを感じやすく、しなり方やしなり戻りにクセがなくてタイミングが取りやすいのが第一印象。40グラム台、50グラム台、60グラム台と試打すると、手元のトルクを締めているせいかしなり感はあっても頼りなさは感じません。先端剛性をアップさせたことで芯を外した際のヘッドのブレや当たり負けする感触もありません。40グラム台から70グラム台までのラインナップで40グラム台に限ってははR2・R・SR・Sというスペックになっています。
ゴルフゾンのシミュレーターでヘッドスピード45m/sで打った試打データ見るとボール初速67m/sは悪くない数値です。45m/sのヘッドスピードでは50グラム台のS・X、60グラム台のS・Xフレックスのなかから、好みのしなり感やスウィングや弾道の安定感で選択することになるでしょう。ちなみに私なら、50グラム台のXと60グラム台のXと迷いましたが、ある程度重量を感じた方がスウィングが安定し平均値がよくなったので60Xを選びます。
ベンタスシリーズとの棲み分けはというと、ベンタスは自分の体力を使って振って飛ばす、「NXグリーン」はもう少しシャフトの力を借りて飛ばすモデルといったところ。好みのしなり感でスペックを選べば、シャフトの力を最大限に利用して飛距離に加え、方向性もより安定してくれそうです。
従来の「スピーダーNX」で少し球が上がり過ぎる、つかまるミスが出る人、純正シャフトで頼りなさを感じているユーザーには特に試してみる価値あるでしょう。