ブライソン・デシャンボーが世界ドラコン選手権に出場し全米6番目の飛ばし屋に認定されてからおよそ1年。圧倒的な飛距離でコースをねじ伏せ全米オープンでメジャータイトルを獲得てから2年が過ぎた。
「あれだけ飛ばされたらゴルフが違うゲームになってしまう」とニクラスをはじめとしたレジェンドが危惧したが最近デシャンボーの名前を耳にすることはほとんどなくなった。
1年半ほど前には彼やフィル・ミケルソンが47インチ、48インチといった長尺ドライバーを振り回し話題になったが長さ規制(46インチ)が制定されたこともあり今年のツアーでは以前とは真逆の現象が起きていた。
さきがけとなったのが皮肉にもLIVに移ったキャメロン・スミス。彼が今年の全米オープンで44.5インチを使用したことからツアープロたちが続々と短いドライバーを使うようになった。飛距離より精度を重視する傾向が目立つようになったのだ。
飛ばした者勝ちだったデシャンボー時代の終焉である。
それでも今季ドライビングディスタンスは史上はじめて100人が300ヤード超えを記録している。つまり長尺ではなくても飛ばせる最新テクノロジーを搭載したドライバーづくりに各メーカーが尽力した成果が現れたともいえる。
20年&21年とドライビングディスタンスナンバー1に輝いたデシャンボーはLIVゴルフに移籍したため22年のスタッツから削除されており、LIVの試合で彼がどれだけパワフルなプレーを見せているのかはストリーミング配信でチェックするか試合会場で実際に観戦するしかなくなった。つねに注目の的だったつい1、2年前を思うと隔世の感がある。
アマチュアもプロの誰々が使ったクラブが欲しいと思うものだがプロも誰かが新兵器を使用して結果を出すと真似をしたくなるものらしい。
ドライバーのトレンドを先導したデシャンボーやスミスがツアーを離れたいま、新しいトレンドは誰が作るのか? 来シーズンは来シーズンの風が吹く?