2022年2月、カーボン素材のフェースを採用した「ステルス」シリーズを発売したばかりのテーラーメイドが、また新たなモデルを発表した。その名も「ステルスグローレ」、すでにツアー会場では実戦投入するプロも確認されていたため、その存在自体は確実視されていたが、ついにお披露目となった形だ。
モデル名から察せられる通り、「ステルス」シリーズの特徴に加え、日本向けブランドの「グローレ」シリーズの要素も融合し、「グローレ」シリーズが追求し続けてきた「飛び、やさしさ、美しさ」も兼ね備えた仕上がりとなっているようだ。
グローレシリーズの現行モデルは2020年10月発売の「SIMグローレ」で、ドライバーは1種のみだったが、ステルスグローレでは「ステルスグローレ」、「ステルスグローレプラス」の2モデルラインナップ。
2モデルに共通するテクノロジーは、ステルスシリーズでも採用された60層のカーボン素材からなる「カーボンツイストフェース」。これによりボール初速のさらなる向上と、軽量化に成功。重量が軽くなったぶんフェース面もラージサイズにすることができ、結果構えた際の安心感や広いスイートスポット、つまるところやさしさも向上している。
さらに「SIM2」シリーズで採用されていたマルチマテリアル構造が復活。フェースカップ、カーボンクラウン、カーボンソール、そして「フォージドアルミニウムリング」という半円状のアルミ素材のパーツを採用し、それぞれを溶接なし、接着剤のみで組み立てられることが可能に。アルミパーツやカーボンソールの採用に加え、溶接部のバリもなくすことでさらに軽量化が図られている。
フェースに加え、ボディも軽量化したことで、クラブ重量は約278グラム(ステルスグローレドライバーに純正オリジナルシャフトのSフレックスを組わせた場合)とかなり軽め。もちろん余剰重量も適切に配置され、慣性モーメント拡大に貢献している。また、ソール部の空力性能を高める「イナーシャジェネレーター」、フェース下部でのミスヒット時にスピンを押さえ、ボール初速のロスを減らす「貫通型スピードポケット」も受け継がれている。
さらに、カーボンソールのトウ側には「アコースティックアジャスター」と呼ばれる機構も採用。これにより日本人ゴルファーが好みやすい打音・打感に調整されているという、まさに「グローレ」シリーズらしい仕上がりだ。
「ステルスグローレ」、「ステルスグローレプラス」ともに、余剰重量の一部がヒール側に配置され、つかまりを高めたドローバイアス設計のモデルとなっていて、両者の違いは「ロフトスリーブ」、いわゆるネック調整機能の有無にある。
「ステルスグローレ」が調整機能なしモデルで、9.5・10.5・11.5度の3ロフト展開。「ステルスグローレプラス」は調整機能が搭載されており、プラスマイナス2度の範囲で調整可能。ロフト展開は9.5・10.5度の2種となっている。前作の「SIMグローレ」をはじめ、軽量化や重心配分との兼ね合いでネック調整機能がオミットされるケースも昨今では少なくないが、「ステルスグローレプラス」で採用に至ったのはフェースやボディ、至る部分で軽量化が図られている点が大きいと言えるだろう。
もちろんドライバーに加え、フェアウェイウッド、レスキュー(ウッド型ユーティリティ)、アイアンもラインナップされており、それぞれにやさしく飛ばすための工夫がなされている。いずれの番手も発売日は2022年10月7日(金)予定。ベストシーズンを間近に控えたこの時期に、また魅力的な選択肢が生まれたと言えるだろう。